狩られる者。 (ページ6)

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第一章第四話ページ6

およそ三時間、四十キロくらいは走っただろうか。

いつの間にか私はゴン達より前の方に来ていたみたいだ。隣には金髪の中性的な人。居ないなと思っていたらここに居たのか。

彼は私に気づくと、「さっきはどうも。」と軽く首を揺らした。

「こちらこそ。..えっと、」

「クラピカだ。貴女は？」

「Aです、よろしく。」

軽く自己紹介すると、後ろから「絶対ハンターになったるんじゃーーー！！」とレオリオの声がして、凄い足音と共に私達の前に来た。

「レオリオ..？」とクラピカは驚いている様子。

私はその姿に、「そうですね。五人でハンターになりましょう！」と言って笑った。

★

「レオリオ大丈夫か！？」

クラピカが心配するのもそのはず、レオリオは全身汗だくで、上半身は裸の状態で走っているのだ。

「なりふりかまわなきゃまだまだいけることがわかったからな！！フリチンになっても走るのさ！クラピカ！A！他人のふりするなら今のうちだぜ！」

私達は顔を見合せ、ふふっと笑みをこぼす。

私は羽織りものを脱ぎ、クラピカも下の白シャツになり、レオリオの隣に並んだ。

「レオリオ、ハンターになりたいのは本当に金目当てか？違うな、ほんの数日のつきあきだがその位はわかる。金儲けだけが生き甲斐の人間は何人も見てきたがお前はそいつらとは違うよ。」

「ケッ理屈っぽいヤローだぜ」とレオリオは見向きもしない。

私は何の話かついていけなかったが、クラピカの次の言葉に耳を疑った。

「緋の目。」

「クルタ族が狙われた理由だ。」

クルタ族は五年前、幻影旅団に襲われたと聞いた。話を聞くと、クラピカはその生き残りらしい。

私と..似ている..。いや、ほとんど一緒だ。

私も、私達一角族も襲われたのだから..あの幻影旅団に。

「悪いな、俺にはお前みたいな志望動機に答えられるような立派な理由はねーよ。俺の目的はやっぱり金さ。」

クラピカは「本当に金でこの世の全てが買えると思っているのか！？」と問いただす。

「買えるさ！！物は勿論夢も心もな！人の命だって金次第だ！買えないもんなんか何もねぇ！」

「許さんぞレオリオ！撤回しろ！」

まってまって！ここで喧嘩はよくない！
私は「お、落ち着いて二人とも！」と真ん中に入り、二人を引き剥がそうとするが、レオリオは口を開いた。

「なぜだ！？事実だぜ、金がありゃ俺の友達は死ななかった！！」

レオリオは舌打ちをして、私達の前を走る。