狩られる者。 (ページ7)

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第一章第五話ページ7

「病気か？」と聞くクラピカに「決して治らない病気じゃなかった」と話を続けた。

「わかったか！？金金金だ！！」

「レオリオはきっと良いお医者さんになるよ。」

「ああ、そうだな。」

地上への階段中間地点、脱落者は三十七名。

★

レオリオの限界も近いだろう。息がさっきよりも上がっている。隣のクラピカはまだいけそうだけど。

クラピカは私に目を向けると、「Aはなんでハンターになりたいんだ？」と聞いてきた。

「私は..狩る者になるため。」

「狩る者..？」

私は帽子を少し上げて、クラピカに一本の角を見せた。クラピカはそれを見ると目を真ん丸にして驚いた。

「私もクラピカと同じ生き残り。ハンターになったら狩られる者じゃなくて、狩る者になるでしょ？」

「ははっ、考えが甘いよね～、私。」

頭を掻いてははっと笑うと、「そんなことない。」とクラピカは真剣な目をして言った。

「...私さ、ハンター試験に合格したら、この帽子取って町を歩きたいの。」

「ああ、その方がAの顔も良く見えるから、楽しみだ。」

クラピカはフッと笑い、前を向いて走ることに集中した。

「ありがとう」と言って私も走ることに集中した。

この光景をとある人物が見てるとは、この時、私はまだ知らなかった。

しばらく走っていると遠くの方に見える光。

「クラピカ！レオリオ！もうすぐ出口だよ！」

「....おう！」

ゼエゼエと息を切らすレオリオ。ここまで登ってこれたことが奇跡だ。

そして私達三人は、同時にゴールした。

出口の向こう側には綺麗な景色が..と思っていたのだが、霧が濃くてうっすらとしか見えないが、ここはとてもじゃないが綺麗とは言えないだろう。

一次試験官のサトツさんが丁寧にここ、ヌメーレ湿原、通称詐欺師の塒を説明してくれる。

騙されると死ぬらしい。

「騙されることのないよう注意深くしっかりと私のあとをつけて来て下さい。」

と、サトツさんが歩き出そうとすると、「ウソだ！そいつはウソをついている！！」と後ろから声がした。

振り返ると怪我を負った男性と、左手にはサトツさんによく似た猿が舌を出し、引きづられていた。

「そいつは偽物の試験官だ！俺が本物だ！これを見ろ！ヌメーレ湿原に生息する人面猿！！」

この人の言っていることは一理あった。しかし、試験官でないものが、ハンターである試験官に深傷を負わすことが出来るだろうかと疑問が湧いた。