かいじゅうくん . [うらたぬき]

１１ぴきめ ページ13

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コンコン



保健室の扉をノックするも、返事がない。
おかしいな、いつもなら先生の声が返ってくるのに。



不思議に思い、なるべく音をたてないように扉を開ける。








ひょっこりと顔を覗かせ、保健室を見渡す。
やっぱり、先生は居なかった。







「...失礼しまーす.....。」






遠慮がちにのそのそと歩き、中に入って行く。
...あ、あそこのベット誰か使ってる。


きっと浦田くんだな。



そう確信して、引かれていたカーテンを静かに動かしていく。








「...あ」



うっかり、声が出てしまった。
浦田くん、めっちゃ寝顔かわいい...！！

普段はあんなにしかめっ面なのに。
凄く幼い顔で眠っている。







.




.....そんなことより、うん。


「コレ、どうしよう...」



ついさっき渡された折りたたみ傘とたい焼き。





何も言わずに置いていくのも失礼だし、眠っているのを起こすのも気が引ける。









.....起きるの、待ってるかな。




うん。多分それが一番いい。起こしたら怒りそうだし。









近くにあった椅子に腰を下ろし、浦田くんが起きるのを待つ。
...あ、お弁当食べてないや。美羽のことも1人にさせちゃってる。



それに、あと15分で午後からの授業が始まってしまう。







...でも、まぁ。







「たまには、いいかな...。」





少しくらいサボったって、バチは当たらないだろう。






それに、気持ちよさそうに眠る浦田くんを見たら、そんなのどうでもいいと思えてしまった。

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