19:都市伝説集団。 ページ19
.
「ねえA!ちょっと聞いてよ!」
『わお、出会った頃の敬語なんて何処かに綺麗さっぱり飛んでいきましたね』
漸く訪れた、緩やかな日常。
起きたら部屋に鏡花がいたという驚くべき状況に出くわした敦は、結構荒れている。
「鏡花ちゃんと同棲だなんて、聞いてなかったんだけど!」
『そんな全力で喜びを伝えてこなくても』
「違うよ!!」
勿論、Aも敦が喜んでいるわけではないことは判っている。
つまり、面白がっているだけだ。
その後、太宰の説得によって納得した敦は、同棲を許可したようだ。
敦が遊ばれていると判っている社員たちも、それを彼に伝えることはない。
「おい、太宰。早くマフィアに囚われた件の報告書を出せ」
国木田に大量の資料を渡された太宰は、何かを考えだす。
そして最悪の案を思いつくのだった。
「A、君が私をマフィアに助けに来た件の報告書は?」
『おい、太宰さん』
「何?!Aがマフィア本部に潜入しただと?!」
報告書を書くのが嫌だった為、自分のことは隠していたA。
助けに来いと云われたから、非番なのにもかかわらずその場に赴いた彼女。
それなのに巻き込まれるこの始末。
不憫な女である。
「A、お前も報告書を書くように」
『太宰さん、脱走した次の日嘘ついて仕事サボりましたよね』
「げっ、」
自分のことがバレないように、敢えて全てを黙っていたのだ。
太宰が話してしまった以上、彼の仕事をサボったという事実を隠しておく必要はない。
おかげで太宰の報告書は増えた。
『で、私を売った太宰さんは、敦くんに懸賞金を懸けた黒幕のこと判ったんですよね?』
「悪かったって、」
半ギレのAは話をあるべきところに戻す。
太宰を許す気など、毛頭無いようだ。
「出資者は『組合』と呼ばれる北米異能者集団の団長だ」
「実在するのか?組合は都市伝説の類だぞ」
『第一そんな人たちが何故敦くんを?』
こればかりは書類に書いてある話ではない。
この理由については、直接聞くしかないのだ。
「た、大変です!」
方法を色々と考えていると、血相を変えて入ってきた谷崎。
そして外からは爆音のプロペラ音。
『ヘリですね』
「見れば判る!」
どうやら組合を探す手間は省けたようだ。
.
403人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろろみや。(プロフ) - のりばやしさん» 本当ですか?!是非ともよろしくお願いします! (2017年12月19日 7時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 主人公さんをかかせていたたけないでしょうか? これからも更新がんばってください!! (2017年12月18日 22時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - 龍愛さん» ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです!更新、頑張ります! (2017年10月19日 0時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
龍愛(プロフ) - ろろみや。様の作品を初めて拝見させていただきました!とっても面白いです!!私の好みの作品です!更新、頑張ってください! (2017年10月18日 22時) (レス) id: a85de7e0fb (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - ぽっぽさん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2017年10月16日 23時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ろろみや。 | 作成日時:2017年10月9日 1時