家 庭 科 室 の 、 - 2 - 【地縛少年花子くん】

黙黙黙黙 ページ18

放課後。日常になってきた体育館裏での出来事。今日は蹴られたのと、手でばちんと叩かれた。


制服には靴の形がついてしまった。髪もボサボサで、汚いという言葉がぴったりだった。








　
最悪なことに、鞄は教室にある。この状態で一旦学校の中へと入る。









　
更に最悪だ。柚木くんと土籠先生は教室にいた。いつもは誰もいないのに。私はボロボロの状態で入った。




2人は私の方に視線を向け、私の姿には流石に驚きを隠せていなかった。









　
「おい、柚月。」


「…はい。」


「何があったんだ。」


「…。」









　
最初は普通だったが、今では暗く、笑顔もない。ただ、人形のように顔色を変えなかった。

何一つとも。


口数も少なくなっていった。人と話すことも無くなってきたから。話すとすれば唯一、つかさくんだけだ。









　
「はぁ…。お前もダンマリか。」


「…すみません。」









　
お前も、ということは柚木くんも何かを黙っているのだろう。

そして彼も怪我をしていた。今、治療中みたいだった。









　
「…それでは失礼します。」


「ちょ、おい…！」









　
私は鞄を持って教室を出て行った。







　
彼が怪我をしようが、先生が心配しようが、どうでもよかった。


このような私みたいな生徒、面倒だと思って心配する“フリ”をしていると思う。






そうだ。皆は見て見ぬフリをして、平和に過ごしている。





自分には関係ないと、第三者は思っている。確かに関係ないのだろう。









　
「…つかさ、くん。」








　

私はいつの間にか、彼を頼っていた。

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