黒色くんと八色の話。２【ﾚﾝﾒｸﾞﾛ】 (ページ20)

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︎✿ ページ20

ラ「めめを信じてよ…。」

小さな声だけどものすごく重たい。

深澤さんにも言われた言葉。

そのどちらにも私は答えることが出来なかった。

信じたい思いはもちろんある。

しかし、蓮と長く一緒にいて疑うことを知らずに過ごしてきた私は現状を整理するのにいっぱいいっぱいになっている。

それに蓮も女性と一緒にいた事を認めたも同然。

今、蓮の何を信じればいいの？

そんな訳の分からない感情が渦巻いて、また涙を流してしまった。

亮平くんに付き添われてリビングを出る。

寝室のベッドに腰掛けた私の前に亮平くんがしゃがみこみ、膝の上に揃えた手を握る。

阿「大丈夫？ラウも悪気がある訳じゃないんだよ？」

『分かってます。メンバーさん達がこんなにも蓮を信じてくれるなんて。
今の私にそれが出来ないから悔しくて羨ましくて…すみません。』

涙を流しながら一気に喋る私の話をうんうん、と頷きながら聞いてくれる。

阿「俺がAちゃんの立場でも絶対同じこと思うよ。
第三者の俺たちと当事者では感じ方も違うのが当たり前。」

優しい声に更に頬が濡れていく。

阿「だから謝る必要ないの。」

握る手の力が一瞬強くなり、それからゆっくり解かれた。

それがなんだか寂しくて自分で両手を握り合わせる。