. ページ34
「…もー急にそんな事言われると傷つくなぁ!偶然、此処を通っただけなんだけどなぁー?」
両頬を膨らませ、可愛く怒ってみせる。
Aの表情は変わらず、明らかに嫌そうな顔だ。
「……最悪、です。ようやく落ち着いたと、思ったのに…」
途切れ途切れの言葉に心が傷ついた。
本当に会いたくなかったんだ。本当にもう合わないと思ってたんだ。
そう思うと、心は暗くなるが合歓ちゃんがくれた時間だ。少しでも話をしないと。
「まぁ、とにかく助けられて良かった良かった!さっき腕掴まれてたよね?痛くない?」
彼女の怪訝な瞳を見つめながら腕に手を伸ばすと鈍い音と共に僕の手が跳ね除けられた。
「触らないでっ…!全然痛くないので…!」
僕を威嚇しているような表情に変わった。
触って欲しくないのは事実。だけど掴まれた場所は赤く腫れている為、痛いのは明白。
「ふぅん。でも腫れたら困るから一度、病院に行ってみたらー?この後暇ならさ!」
「連れってあげても!」とにこにこして言うと、「結構です!」ときっぱりと断られてしまった。
あまりにも早い決断だったので肩を落とすとAちゃんがぽつりと呟いた。
「…今度、先生に見て貰おうかな…」
顔を勢いよく上げて頬を赤らめる彼女を見つめるとすぐに顔を切り替え、さっきまでと同じ表情に変わる。
「とにかく平気なので……それにこれから友人と会いますし…」
こほんと咳払いをし、凛とした態度に戻るがさっき見た顔が忘れられない。
女が恋する顔。何人もの女を落としてきたがこんなにも女らしい顔をした女性は目の前にいるAだけ。
「…やっぱ好き」
小さく呟いた言葉はAちゃんには届かず、この感情は心の中に閉じ込めた。
ドキドキしている心臓を抑えて、ほんのり赤くなった頬をゆっくりと冷やした。
277人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやりな(プロフ) - ACNEさん» 続きはどんどん更新中だからねっ!早く読んで僕の活躍を見ててね!これからもー応援よろしくねーっ! (2019年8月19日 15時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
ACNE - 続きがまちどおし((…ワクワク(#´∀`#) これからも頑張ってください! (2019年8月19日 14時) (レス) id: d9fccfe3cd (このIDを非表示/違反報告)
あやりな(プロフ) - まふさん» そーなのー!?それはショック…ってそんな訳ないよ!これからもっと僕の事を好きになってよ!僕も君のこと大好きだからさ!またお話しよ! (2019年7月17日 17時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
まふ(プロフ) - コメント失礼します。らむださん最初はあまり好きではなかったのですがこの小説みてからとっても好きになりました!これからも更新頑張って下さい (2019年7月17日 16時) (レス) id: b1440280f1 (このIDを非表示/違反報告)
あやりな(プロフ) - 叶夢さん» おねーさん、僕の事応援してくれるのー!?ありがとうー!ぜっーたいに!君の事、奪いに行くからねっ!待っててよぉー! (2019年6月16日 11時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやりな | 作成日時:2019年5月14日 21時