4.近づけない距離 ページ33
「さーてと、Aちゃんにどうやって近づこうかなぁ〜」
飴を片手にAちゃんから見えない所に佇み、策は無いかと練る。
昨日は彼女に会えるという緊張で全く、作戦を思いつけなかったのが、今に来て後悔が押し寄せる。
うーんと唸り、ちらりと彼女の方を見ると見知らぬ男数名に囲まれているのが見えた。
まさかと思い、ピンク色の髪を緑のフードで隠しながら、さりげなく通るとやっぱりだ。彼女はナンパされているのに気づいた。
彼女は困ってはおらず、逆に強気な態度をとっているように見えた。そこが彼女の可愛いとこかも。
「なぁ、姉ちゃん。ちょっとで良いんだよ。お茶するだけ!」
「結構です。友人を待っていますので」
「そう頑なにならないでよ!」
「本当に結構ですので」
「ちッ…着いてきてくれって!」
一人の男がAちゃんの腕を掴んだ。その時の顔は苦くも険しい顔をしていた。
抵抗するも、成人男性には及ばず、ずるずると引かれていく。
男性は囲むように彼女を包囲し、周囲からは何をしているのかが見えない状況を作っている。
駅の物陰に移動した僕は飴をがりがりと噛み砕きながらその様子を観察した。
「お願い…離して…っ」
その声を聞いた瞬間、僕の身体は無意識に動いた。
男、いやゲテモノ目指して突き進んだ。
「ねぇ、おにーさん♪その子から手を離してくれるっ?」
「あ"?何だこのガキ…」
腕を掴んでいた男性の肩をぽんと触る。彼女の顔が少し柔らかくなったのは気のせいかもしれないけど。
「早く離さないとー……消すぞ」
低く放ったその言葉は身長の高いはずの男性は上目遣いの僕を見て、顔が引き攣っていく。
「お、おま…飴村……」
「そーだよ!よく分かったね!」
フードを脱ぐとにこにこと笑ってみせる。
「ひいっ!」と女の様な悲鳴を上げると周りもこちらを見て、血の気が引くような顔をしていく。
「何でお前がいんだよ…!くそッ!逃げるぞ!」
汚い言葉を吐いて、男は汚い足音を鳴らしながら走って行く。
「酷いなぁ!」と頬を膨らませて男が去っていった姿を見送ると、彼女がいることに気づいた。
「あ!大丈夫だったー!?僕、すっごく心配で…」
面と向かって話すのは初めて。うきうきしながら返事を待つと
「何でここに…?」
あいつと同じ顔をした
277人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやりな(プロフ) - ACNEさん» 続きはどんどん更新中だからねっ!早く読んで僕の活躍を見ててね!これからもー応援よろしくねーっ! (2019年8月19日 15時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
ACNE - 続きがまちどおし((…ワクワク(#´∀`#) これからも頑張ってください! (2019年8月19日 14時) (レス) id: d9fccfe3cd (このIDを非表示/違反報告)
あやりな(プロフ) - まふさん» そーなのー!?それはショック…ってそんな訳ないよ!これからもっと僕の事を好きになってよ!僕も君のこと大好きだからさ!またお話しよ! (2019年7月17日 17時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
まふ(プロフ) - コメント失礼します。らむださん最初はあまり好きではなかったのですがこの小説みてからとっても好きになりました!これからも更新頑張って下さい (2019年7月17日 16時) (レス) id: b1440280f1 (このIDを非表示/違反報告)
あやりな(プロフ) - 叶夢さん» おねーさん、僕の事応援してくれるのー!?ありがとうー!ぜっーたいに!君の事、奪いに行くからねっ!待っててよぉー! (2019年6月16日 11時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやりな | 作成日時:2019年5月14日 21時