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「みんな、来てくれてありがとう。とびっきりの夜にしましょ!」


特設ステージの上でスポットライトを一身に浴びる少女。セクシーなドレスとミニハットは魔女の仮装らしい。



「トリッシュ、ツアーが終わったばかりなのに、良くコンサートの依頼を快諾してくれたなあ。関係者席に招待までしてくれたし!」


「そうですね、終わったら皆で楽屋にお礼を言いに行きましょうか。Aもおいで」


「良いんですか?」


「勿論。君をトリッシュに紹介したい」


──兄さん達が、歌手のトリッシュ・ウナさんと知り合いだっただなんて。その為か会場につくとすぐこの席に案内された。どこで知り合ったんだろ……一体兄さんとどういう関係?



頭に浮かんだ不穏な考えを振り払う。駄目よA、変な邪推は!



「なあフーゴ、シーラ・Eの奴が怒ってたぜ。オメーが急にどっかに行ったってよ」



ミスタさんがフーゴさんに話し掛けた。そういや私が出会った時、彼女はフーゴさんを探していたっけ。



「真面目なオメーらしくねえよなあ……その泣き腫らしたみてーな目となんか関係あんのか?」



ミスタさんの指摘にハッとしてフーゴさんの顔を見る。さっきから口数の少なかった彼の目は、確かに酷く腫れていた。──だけど。



「……内緒です」


その表情はとても晴れ晴れとしたものだった。口元には笑みすら浮かんでいる。




……ああ、あの子と会えたんだ。




「なんだそりゃ?教えろよ、気になるじゃあねえか!」


「うっせえ内緒って言ってんだろがボケッ!」


穏やかな表情から一転、ミスタさんに絡まれキレ出すフーゴさん。騒ぐ部下二人を静観していた兄さんだが、ふと私の方を向いた。




「A、今日は楽しかった?」



頷くと、兄さんが真剣な表情で私の手を取った。



「もし来年もハロウィンフェスティバルがあったら、その時はぼくと一緒に出掛けませんか?」



──来年。それはすごく遠い未来のように思えるけれど、案外あっという間なのかもしれない。イタリアで知り合った皆との時間は楽しくて、すぐに過ぎてしまうから。



『どうか、ジョルノの側に居てやってくれ』



──そんなの、言われなくたって。



「勿論です。来年も……ううん、再来年も、その先も、私は兄さんと一緒です!」



手を握り返すと、兄さんがとろけるように笑う。



「「ありがとう」」


兄さんの声に重なって、どこからかブチャラティさんの声が聞こえた気がした。

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あさはか金魚(プロフ) - 面白い!こんな面白い作品を作っていただきありがとうございます!! (2020年8月2日 10時) (レス) id: bae01be7f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - tamaさん» コメントありがとうございます!最初にコメントくれた方ですよね?ずっと読んでくれていたこと、感謝します。これからも頑張ります! (2019年11月14日 0時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - お久しぶりです!31話からもうわくわくでした!頑張って! (2019年11月12日 20時) (レス) id: 85d88e1cc2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 美琴さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです!ハロウィン後半のテーマは『あの人達と一日限りの邂逅』です。もう11月ですがまだハロウィン回は続くので楽しんでいただけると嬉しいです! (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 幽銀さん» コメントありがとうございます!作者も読んでくださる読者の皆さんがいっぱいしゅき…… (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年9月3日 4時

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