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レイ「わかった?…じゃあ、これ解いてみて?」
荒北「ン。」
荒北が問題を解いている間、レイは窓の外を眺めていた。ガラス越しには楽しそうに電話をする東堂の姿が見える。その姿を、切なそうな顔で彼女は見ていた。
荒北「レイチャン?」
レイ「…。」
呼びかけても返事がない。よっぽど東堂のことが気になるのだろう。
荒北「なァ、…レイちゃぁん?」
レイ「!…あ、ごめん。何?」
やっと気がついた彼女は、瞬きをしてから解き終えられた問題に目を通す。
見た感じだと考え方とかも合っている。
レイ「はい、全部あってる。またわかんなくなったらなんでも聞いてね。」
荒北「なんでもか?」
そう言った荒北の目はなんだか真剣だった。
レイはよっぽど今回のテストで良い点を取りたいのかな、なんて呑気なことを考えていた。
レイ「うん?私が答えられる範囲内ならね。」
荒北「じゃー、…おめーにとって東堂ってなに?」
さっきまで英語のテキストに目を向けていたのにゆっくりと顔を上げ、荒北の目を見つめる。
レイは焦ることも恥じることもなく、いつもの無表情のままだ。
レイ「尽八は、ただの仲良い幼馴染。」
冷静にそう言い、またペンを走らせる。何事もなかったかのように。
しかし荒北はまだ話を終わらせてくれそうにはない。そもそも何故こんなことを聞いてくるのか、レイは疑問に思った。
荒北「ほんとにィ?」
レイ「本当。尽八に聞いてもそう答えるよ、きっと。」
今度は彼の方に目も向けず、問題を解きながら答えた。ちょっと怒ったな?なんて思いながらも荒北は話を続ける。
荒北「…もし東堂がおめーのことを好きな子って答えたらどーするゥ?」
レイ「どーするって…そんなの、」
手は止めたが荒北の方は見ず、下を向いたままなので表情が全く見えない。まぁ見えていてもきっと無表情だから、何を考えているか分からないだろうけど。
東堂「聞いてくれ荒北!今度巻ちゃんがな!…どうしたのだ2人共。」
バットタイミング。レイの気持ちが聞けると思っていたのに東堂が戻ってきてしまった。
まだ巻島と電話しとけよ、と言おうとしたがダルいのでやめにした。
そしてぎこちないまま勉強会は幕を閉じ、テスト期間を迎えるのだった。

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もち米太郎(プロフ) - しおらんさん» コメントありがとうございます!!東堂めっちゃ好きで勢いで作っちゃいました笑行き当たりばったりの思いつきの話なので本当文才ないですけど今後も頑張りますんで今後もよろしくお願いします! (2018年9月11日 6時) (レス) id: 498205eb8a (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです!荒北も好きだけど東堂かっこいいです!早くくっついてほしい!これからハラハラしそうな予感ですが続き楽しみです!頑張って下さい! (2018年9月10日 13時) (レス) id: 097333551a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち米 | 作成日時:2018年8月13日 18時