花火 02 ページ7
「子供の頃さ」
ドンパンと賑やかな音の響く空の下の河川敷で、そこに座る一人の男が口を開いた。
「あいつらと一緒に、見たよね」
「そうだね」
柔らかい口調で相槌を打ったのは、その隣に座る女。
「皆で着物着て、綿菓子とかたこ焼きとか食べたね」
その瞳が、懐かしむ様な優しさを纏う。
「若武がやたらと食い過ぎて、お腹抱えて苦しんでたの覚えてる?」
男が、クスリと笑った。
女も、「覚えてる」と言いながら、クスクスと笑う。
「懐かしいね」
「うん」
・
その間にも、空の上では色鮮やかな花が次々と咲いている。
「綺麗だね」
「うん、綺麗」
そんな他愛のない会話が、とぎれとぎれに紡がれる。
一言、呟いては空を見上げ、また呟く。
・
最後の花が咲き、そして、枯れた。
周りで 一緒に空を見上げていた人々が、潮を引くように徐々に少なくなってゆく。
それでも、その二人は、そこに座ったままだった。
・
26人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハナ - 恋檬さん» 私もあげたいです!!!! (2017年12月16日 21時) (レス) id: a28dd52497 (このIDを非表示/違反報告)
恋檬(プロフ) - スマホが欲しいアーヤにスマホをあげたいよお!!! (2017年10月22日 11時) (レス) id: a868e82522 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - @恋歌さん» 花畑ですよ!読んでくださっているのですね、ありがとうございます。憧れだなんて…恐縮です。私こそ、読者様のコメントにはいつも励まされています。凄く嬉しいです(#^.^#)応援ありがとうございます。頑張ります!! (2017年10月22日 9時) (レス) id: 74426fb86e (このIDを非表示/違反報告)
@恋歌 - 花畑さんですよね?違ったらすいません。 (2017年10月1日 16時) (レス) id: 2a50b7073d (このIDを非表示/違反報告)
@恋歌 - これからも、応援しています。頑張ってください! (2017年10月1日 16時) (レス) id: 2a50b7073d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ