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「彩を泣かせてしまった自分に、彩を守ることができるのか」

「…………」

「彼女を傷つけた自分に、彼女のそばにいる資格があるのか」


「………よくご存知で」




皮肉めいた微笑は、いつもより数段弱々しい。




「お生憎さま。彩は、お前なんかに守ってもらう必要なんてないほど強いよ」




長かった髪を切った。
牛乳ばかり飲んで、背を伸ばした。

そうしてどうにかして彼女を守る存在になりたいと……いや、近づきたいと、そう願っていて、気づいた。



彩は強かった。

いつでも私は、守るなんておろか 守られるばかりで。



「彩は、守られたいなんて考えてない。
お前の傍にいたいって、ただそれだけ」



健気すぎて涙が出るよ。




「だから、お前はそのお門違いな考えはさっさと捨ててやるんだな」



馬鹿にしたようにそう言ってやると、
黒木はムッとしたように黙り込む。




「……可愛げのない女」
「最大の褒め言葉だね」



そう、私は、可愛げのない女になりたかった。

彼女を守れるほど、強くなりたかった。

少しでもカッコいいと思ってもらえればよかった。



そんなの、もう願えない。

彼女の思う相手は、こいつなんだから。




「もう一度言う」




深く息を吸い込んだ。




「彼女を、泣かせるな」

「………了解」





渋々といった様子で頷く黒木。

うん、まあ許容できる。





スッキリした私は、背を向けた。


もう言いたいことなんてない。これからは二人の物語だ。
そこに私の割り込む隙はない。






普通の恋だった。なんてことない、どこにでも転がっているような恋。

ただ少し、苦くてしょっぱいだけ。



ギュウッと胸が締めつけられて
私は空を仰いだ。






君に幸あれ、彩。




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ハナ - 恋檬さん» 私もあげたいです!!!! (2017年12月16日 21時) (レス) id: a28dd52497 (このIDを非表示/違反報告)
恋檬(プロフ) - スマホが欲しいアーヤにスマホをあげたいよお!!! (2017年10月22日 11時) (レス) id: a868e82522 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - @恋歌さん» 花畑ですよ!読んでくださっているのですね、ありがとうございます。憧れだなんて…恐縮です。私こそ、読者様のコメントにはいつも励まされています。凄く嬉しいです(#^.^#)応援ありがとうございます。頑張ります!! (2017年10月22日 9時) (レス) id: 74426fb86e (このIDを非表示/違反報告)
@恋歌 - 花畑さんですよね?違ったらすいません。 (2017年10月1日 16時) (レス) id: 2a50b7073d (このIDを非表示/違反報告)
@恋歌 - これからも、応援しています。頑張ってください! (2017年10月1日 16時) (レス) id: 2a50b7073d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花畑 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月11日 14時

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