68曲目 妨害 ページ18
「なんだそれ、ほんわかした話やん」
志麻さんがつまらなさそうに言う。
うらたさんはどこかほっとしたように見えるが、私も含めほとんどが拍子抜けだというように息をついた。
センラさんはそうなんよ、でもな、と苦笑し再度話し始める。
その右手には猫のおもちゃがあった。
「それは生きてる猫やなく、ファンから貰ったスイッチを入れると動くおもちゃの猫やった。
これがその猫。
きっと、車の中で揺られているうちにスイッチが入ったんやろう。
俺は安心して家に帰り、猫のおもちゃを止めようとした。
やけど、どうも違和感を感じる。
そういえばその猫は、別売りの乾電池を入れなければ動かへんはず。俺にはそれを入れた覚えはない。
恐る恐る、電池を入れるとこのカバーを外すと…
案の定、電池は入ってなかったんや」
「何やそれ！やば！」
キラキラと瞳を輝かせ、坂田さんが食いついた。
すると、センラさんはまだや！と声を荒げる。
「俺が驚き、俺の力が抜けた腕から猫が滑り落ちたその時！」
『遊ぼう…？』
「ぎゃあああああああ！！」
うらたさんが叫ぶ。
うらたさんだけではない、皆が恐怖を胸に一瞬身構えた。
それもそのはず、なんとセンラさんの手の中の猫のおもちゃが喋ったのだ。
だが、うらたさん以外が身構えたのは本当に一瞬だけだった。
なぜならその声は
「今のセンラさんの声ですよね？」
「ピンポーン！今の全部作り話ー。
ほんで、こいつは動くんやなくて、録音して再生することができるおもちゃなんや」
センラさんがカチッとおもちゃを鳴らすと、猫のに゛ぃやぁぁぁぁぁ(CVセンラ)と鈍い声が響く。
「現実離れしすぎていなくて、いい感じの怖さですね、泣きませんけど。いい感じなのでこれ基準にしましょう、50点で」
「よっしゃ次俺なー」
二番手、志麻さん。
彼特有の低い声から話はスタートした。
「それはある深夜のこと…俺が一人で夜道を歩いて「ふーっふーっ」あ、歩いていると「うらたさんロウソク消そうとしてんのそれ、おもろ」
…後ろからやたらと大きい足音「あ、手が滑ったー」が「あっつ！何すんだ胸毛！」俺は不気味に「うらたさん髪の毛燃えとる燃えとる！」
お前ら人の話聞けやぁぁぁぁぁぁ！」
こうして妨害に妨害を重ねられ、志麻さんのターンは幕を閉じたのでした。
「そもそも今の話、オチが落とし物拾ってもらっただけって怖くないですよね、10点」
「辛口っ！！」
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Shooto_Keeki(プロフ) - たまたま見つけて読んでました。もう本当に最高でした、最後の展開で泣きそうになっちゃいましたよｗ (2019年9月22日 19時) (
レス) id: 7c93d27e64 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 時雨さん» 最後までお読みいただき、ありがとうございました！涙だなんて、そんなに感動していただけてとても嬉しいです…！ (2019年1月31日 9時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - とても凄くて感動しました…!!(語彙力低下)最後涙が…;;素敵な作品、読ませていただきありがとうございました…!!!!!! (2019年1月31日 0時) (レス) id: 274b7ae121 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 夢愛-ゆあ-さん» 長編になっていますが、最後までお読みいただきありがとうございます！泣いていただける程感動してもらうことができ、私もとても幸せに思います。わざわざコメントまでいていただき、ありがとうございました！ (2019年1月7日 22時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
夢愛-ゆあ-(プロフ) - とても面白くて一気読みしちゃいました…！最後の方は感動で涙が止まりませんでした…(涙)実は小説を読んで泣いたのって初めてで自分でびっくりしてます(((それほど素敵な小説に出会えて幸せです！今から番外編も読ませていただきます！長文失礼しました！！ (2019年1月7日 19時) (レス) id: b3b95c5e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽飛 | 作成日時：2018年11月14日 19時
