67曲目 怪談大会開催 ページ17
「「「本当ですって!/ほんまやって!」」」
家に帰り、志麻さんとうらたさんに映画館の出来事を話す。
しかし、そんな作り話に黙れないぞと否定され、実際に恐怖を味わった私達はガタガタと震えながら力説に力説を重ねる。
「私、て、手に血が付いたんですよ!?」
「…なんていうか、ここまでAが必死になってるあたり信憑性があるよな」
「せやな、俺ら行かなくてよかったわ」
やがて彼らも話を信じ始めたのか、少しずつ顔色を悪くしていく。
…何故、血がついてたのか。
それはきっと私にとって永遠の謎である。
「でも、焦るAレアで可愛かったなぁ」
「せやね、あんな怯えた涙目、初めて見たわ」
「「何それみたい」」
「…もう泣きませんから」
どうやら、この一言で皆の火が着いたらしい。
こうして、夕食前に怪談話大会が開催された。
「ルールは簡単だ。
一人一つずつ怖い話を持ち寄り話すだけ。
Aを泣かせたやつが勝ち、勝者は来週末にAを連れ出せる権利が与えられる!」
何ですかその権利。
私承諾した覚えないんですけど。
「ついでに夕食も賭けようや、今日はAが料理当番やろ?」
「はい、そうです。因みに今日は唐揚げのつもりでした」
「それや!Aが一番つまらん思ったやつは唐揚げ無し!」
志麻さんと坂田さんによって、更にルールが追加されていく。
「じゃあ、早速。スタート!
てことで、俺から行きますよ?」
一番手、センラさんによる怪談が始まった。
部屋の灯りを消し、ロウソクを一本のみ付け、雰囲気作りもばっちりである。
センラさんは少し重くした声質で話しだした。
「それはとある深夜のことやった。
残業開けのサラリーマンが、車を走らせて帰宅する途中に、ある信号で止まった。
すると、誰も居ない筈の車内の後部座席から、ガサッと音がしたんや。
やけど、すぐに信号が青になったし、寝ぼけてただけかもしれん、そう思って気にしなかった。
普段は一度止まれば車のスピードならそれ以降は止まらずに進める信号が、その日はそれ以降もやけに引っかかる。
その度に、後ろから聞こえる奇妙な音。
深夜なことに加え、誰も居ないはずのそこに誰かいるという不気味さに思わず息を呑みアクセルを少し強く踏み、速く帰ろうとする。
が、とうとう俺はその音への興味心から、信号で止まる何度目かで遂に、振り返った。
すると、そこには…
猫ちゃんがいた」
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Shooto_Keeki(プロフ) - たまたま見つけて読んでました。もう本当に最高でした、最後の展開で泣きそうになっちゃいましたよw (2019年9月22日 19時) (レス) id: 7c93d27e64 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 時雨さん» 最後までお読みいただき、ありがとうございました!涙だなんて、そんなに感動していただけてとても嬉しいです…! (2019年1月31日 9時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - とても凄くて感動しました…!!(語彙力低下)最後涙が…;;素敵な作品、読ませていただきありがとうございました…!!!!!! (2019年1月31日 0時) (レス) id: 274b7ae121 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 夢愛-ゆあ-さん» 長編になっていますが、最後までお読みいただきありがとうございます!泣いていただける程感動してもらうことができ、私もとても幸せに思います。わざわざコメントまでいていただき、ありがとうございました! (2019年1月7日 22時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
夢愛-ゆあ-(プロフ) - とても面白くて一気読みしちゃいました…!最後の方は感動で涙が止まりませんでした…(涙)実は小説を読んで泣いたのって初めてで自分でびっくりしてます(((それほど素敵な小説に出会えて幸せです!今から番外編も読ませていただきます!長文失礼しました!! (2019年1月7日 19時) (レス) id: b3b95c5e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽飛 | 作成日時:2018年11月14日 19時