検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:55,457 hit

推し31 ページ33

灰崎side




流石夏、暗くなっても少し暑い。




隣のアホ顔と一緒に帰っていると、突然ぽつりと聞こえた。




『モデルだもんなぁ………』




俺はしばらくして理解した。




ああ、リョータのことか。






「リョータと何かあったのか?」



別に心配なわけじゃない。きっとこれは好奇心だ。



そんな俺の心情を読み取ったのか、Aは警戒したような目で見つめてくる。



『………誰にも言わない?』

「言わねーよ」

『本当に?』

「…多分」

『そういえば祥吾って貯金してたよねー。貯金箱の暗証番号、私知ってるんだけどなー』

「絶対誰にも言いません」



慌てて言うと、Aはため息をつきながら話出した。




『………黄瀬、彼女いるらしくて』

「へー、リョータが?………は??」



Aの言葉に耳を疑う。彼女?リョータに??



「誰情報だよそれ」

『本人。何か惚れさせるだのなんだの言ってたから……』



いやそれお前のことじゃね?





と言ってもめんどくさそうだから黙った。




リョータが好きなのはAだろ。…好き……とはまた違うか。




「それで?何でお前は落ち込んでんだよ」

『そりゃ、やっぱりファンとしては悲しい事実だよ。黄瀬の好きな人かぁ……きっと可愛いんだろうな』

「………いや、アホ面だな」

『アホ面!?ちょっと祥吾、黄瀬のこと気に入らないからって彼女を馬鹿にするのは………!』

「いやいやマジだって。鏡見てみろよ」

『は?鏡?』



理解出来ていないAを置いて、先に進む。




全く……コイツはいつからこうなったんだか。昔はもっと可愛げがあったのにな。







『祥吾は……私といるの嫌?』





ふいに、昔のことを思い出した。





いつもいつも俺の後ろをついてきたA。




そしてそれを拒み続けた俺。






「………はっ。懐かしいな」





”アレ”がきっかけで、Aがクールぶるようになったんだよな。









別にAを守ってやろうとか、笑顔にさせてぇとか、そんなくっせぇ事は考えていない。



恋人や少女漫画のヒーローじゃあるまいし、ただの幼馴染みにそんな感情は抱かない。







ただ………そう、ただ


.









.









.









.









.


アイツの泣き顔が、俺を不安にさせるんだ。

推し32〜過去編〜→←推し30



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
186人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りおん - すごく面白いので、もったいないと思います! (2018年12月26日 17時) (レス) id: f919ba13cc (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - この作品が凄く面白いのでそろそろ更新して下さるとありがたいです。どうぞよろしくお願い致します (2018年10月19日 22時) (レス) id: 0eba96f5ee (このIDを非表示/違反報告)
みかづち - 凛恋@キドさん愛し隊さん» ご指摘ありがとうございます!更新頑張ります!! (2018年8月24日 22時) (レス) id: 2ae2904005 (このIDを非表示/違反報告)
凛恋@キドさん愛し隊(プロフ) - 面白いです!応援してます!因みに黒子の名前は片仮名でテツヤですよ (2018年8月22日 22時) (レス) id: 64b5b9dc76 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち - 彩香さん» ありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします!! (2018年8月2日 10時) (レス) id: 2ae2904005 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みかづち | 作成日時:2018年7月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。