【ポケモン】真夏の雪月花【CS集】 (ページ9)

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【過去】
リューイはトレーナーズスクールに通うごく普通の子供だった。トレーナーになりたてのリューイは少し感性がずれており人から見ると「気持ち悪い」や「不気味」などと言われるものを好む。そのせいで幼い頃からクラスメイトに仲間はずれにされていた。
リューイが当時大切にしていたコイキングは世界一弱いと言われるポケモンだ。
だが誰になんと言われようがリューイはコイキングを大切に大切に育てていた。
なぜならこのコイキングがリューイにとって初めてのポケモンだったから。
リューイが父に欲しいとせがんでとってきてもらったポケモンなのだ。
「いつか大きくて強いポケモンになってみんなを見返そうね」そうコイキングと約束したリューイだったが、リューイが成長していくうちにスクールの子供達は次第にリューイとコイキングをまるでゴミを見るような目で見てくるようになった。上級生達からついた呼び名は「スクールの落ちこぼれ」。
上級生から陰口や悪口、嫌がらせなどちょっとした苛めにあうようになった。コイキングには何度か上級生から何度か刺されそうになった時もあった。しかしリューイはそれでもめげなかった。
それは「自分のため」ではなく、一緒にいてくれた「コイキングのため」にリューイは上級生や同級生達と戦った。コイキングはそんな日常に耐えられなくなったのだろう。
スクールから下校中。いつも通りリューイに抱えられ家へと向かっていた帰り道。コイキングはリューイの腕から飛び出し、近くの川へと自ら飛び込んだ。「トレーナーとともに人間達に苛められるくらいなら、野生のままで野生のポケモンに食われた方がましだ」そうリューイに訴えると、コイキングはすぐさまリューイの元を離れていった。リューイは最初困惑したが、「これも自分のため」だとわかった。いつかまた会おうね、そうコイキングに叫ぶとコイキングはが小さなヒレを振ってくれた気がした。しかしいまだにコイキングの良さはわかってくれない。

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