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手術が終わった数時間後。僕が目を冷ますと、僕の病気はなぜか完治していた。
退院する時に先生から聞いた話だが、僕の病気が完治したのは父が自分の肺を僕に分けてくれたかららしい。
生まれて数ヶ月後の僕が病気と思えないくらいに元気だったのも父が治療費を払ってくれていたからだそうだ。
退院した後、僕は孤児院に預けられ楽しく過ごしていた。
孤児院の子達はみんな優しくて楽しい人たちだった。
一緒に来てくれた母のユキメノコも嬉しそうに笑ってくれて、喧嘩をした時は優しく慰めてくれて。
ちょっとしたおふざけもたまにした喧嘩をした日も、僕にとっては幸せだったんだ。
しかし13歳になった頃、孤児院が突如閉園しいままで一緒だった孤児院の子達ともみんなお別れになってしまった。みんな親戚とか隣町の孤児院とかに引き取られることになっている中、身寄りのない僕はこのガラルの世界を見てみたいと思った。と言うのも、先日テレビでジムチャレンジが放送されていて、小さな若きポケモントレーナーがガラルのチャンピオンになった瞬間だった。僕はすごくそのトレーナーに衝撃を受けて、僕もいつかいろんな世界を旅したいと言う夢ができた。
そのことを孤児院の(元)職員さんに話すとマグノリアさんって言うポケモンについて研究している女性を訪ねてみるといい、と聞いたので、僕は生まれて初めての列車に乗って、マグノリアさんに会いに行った。
マグノリアさんに事情を話すと一匹のポケモンをくれた。その子はイーブイって言って小さくて可愛いポケモンだった。「よろしくね」ってイーブイを抱っこしようとすると強烈な突進を食らった。痛い。
最初の頃は突然道端のトレーナーに勝負を挑まれてもぼろ負けだった。
初めてのポケモン、初めての町、初めてのバトル…なんかもう僕にとって初めてが詰まっていて負けて悔しいのも楽しくてワクワクしてた。…案の定、イーブイはそっぽ向いて僕に懐いてくれないけど。
僕はスクールになんて通ったことはないし、ポケモンの相性とか、なんならポケモンのタイプですら知らない。肝心なジムリーダー戦もイーブイの才能をうまくいかせることはできず何度も負け続けた。
いっぱい野生のポケモンとか仲間にしても全然勝てなくて、やっぱり僕は未熟なんだなって思った。
だから僕は図書館とかに行って、ポケモンのタイプの相性とか状態異常とかいろいろためになりそうな書物を読み漁った。そして1日に1時間は実践練習したりした。
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作者名:おもち(むむー) | 作成日時:2020年9月22日 23時