第1章[夢?] ページ1
何かが足りない。何かが足りない。何かが足りない。
3更、終電の時刻。
同じ車両に乗っている人の大半がスマートフォンで暇を潰している横で、私は吊り革に掴まりながら、心がざわつくのを感じていた。
「……可笑しいな。彼の姿が見当たらない」
吊り革を持つ手を固め、電車の窓から外の風景と、彼の幻影を追い求めた。
高層ビルや一軒家が建ち並ぶ、半ば様式美と化した東京都心の景色が箒星の如き捷さで流れて行った。
夜光虫に似たネオンが周りを彩る、巨大な不夜城。私が初めて東京の土を踏み締めた3年前の今日から、此処に対する印象は変わっていなかった。
この街で、貴方は一体何をしているのだろうか。都会の生活には慣れたのだろうか。体調を崩したりしていないだろうか。
彼は家事を私に任せっきりにしていて、自分一人ではカップラーメンも作る事が出来ない様な、生活力の著しく欠如した人だった。
彼は機械が得意な上に手先が器用なので、やろうと思えばそれなりにこなせると思うが、肝心の問題点は其処には無かった。
彼は、私の作った物以外を食べようとしなかった
のだ。
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もこ(プロフ) - うららkさん» 有り難う御座います! その様に言ってくださり、とても嬉しいです! ……よし、邪闇神と聖光の姫も頑張って書こう。 (2017年11月1日 18時) (レス) id: a9cdaa2c16 (このIDを非表示/違反報告)
うららk - 新作ですか! とても面白そうですね。こちらも楽しみにしています。こちらの更新も頑張ってくださいね! (2017年11月1日 17時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - ついに新作の執筆開始です!(ややこし) (2017年11月1日 12時) (レス) id: a9cdaa2c16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もこ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/Moko3380
作成日時:2017年10月31日 10時