２７（Mside） ページ27
「もう止めろってっ！」
ニカがガヤさんに代わるようにたまを追い詰める
「太輔、大丈夫か？」
横尾さんがガヤさんに駆け寄る
もう、楽屋は一瞬にして修羅場と化した
「楽しいかよっ、こんな事して！俺らの事振り回して！」
「俺の言葉に、勝手に振り回されたのはそっちだろ！」
「たまっ！」
こんな状態なのに、一歩も引かないたまはきっとこうなる事をわかってたのかな…
「もういいよ、ニカ。たまの言うとおりだよ…。俺が宏光の事ちゃんと信じてれば繋ぎ止めておけたんだ。」
「……ごめん、ガヤ。やっぱ、告白するんじゃなかった…。ミツの事…俺が諦められなかったから…」
「ニカ…それは俺も同じだから…。」
「ニカも横尾さんも悪くないよ。だって人を好きになるのは自由でしょ？」
そう、人を好きになる事に良いも悪いもない
ガヤさんもニカも、横尾さんも…キタミツを大切に想う気持ちは同じ…
「……そうだよな…。宏光がニカを選んだって…仕方ないんだよな…」
「…は？」
「え…そうなの？」
「いや、いや、いや！俺、結構バッサリ振られてるからね！」
「…は？」
「ガヤがわったーの事好きでも、俺はガヤが好きだからって。」
「はぁ！？太輔が俺の事好きな訳ないだろ。」
「ちょっと待って。これ、どうなってんの？」
千ちゃん…気持ちは分かるよ
俺だってちょっと訳分かんなくなってる
「おれ…」
ガヤさんが口を開きかけた時、カチャリと楽屋のドアが開いた
「…おはよ。ごめ………って…え？何？皆、何してんの…？」
そっと気まずそうに入って来たミツが、目を見開く
そりゃそうだ
この状況、どう見たって異様だ
「…何？これ、どう言う事？」
「え、っと…」
「…ニカ、お前、たまに何してんの？」
「あ、いや…これは…」
「藤ヶ谷、大丈夫か？横尾さん、ケガは…？」
「うん、俺も太輔も大丈夫…」
「……もしかしてこれ、喧嘩？宮田も千賀もいて、何で止めないんだよ。」
「…」
「…原因は何？俺がいない間に何があったの？」
「…」
「……俺には言えない事？」
黙り込んだメンバーにミツの苛立ちと不安が見え始める
「キタミツ、」
ここは、俺の出番…かと口を開いた時
「それは俺が聞きたいよ。」
思いがけぬところから響いた声
振り返ると、拳を震わせる千ちゃんがいた
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作者名：MISA
| 作成日時：2018年5月31日 16時
