【ブルーロック】孤独を分かつ二人の天才。【糸師冴】

【隣に現れたもう一人の天才。】 ページ1

「……」

糸師冴はサッカーにおいて"天才"と呼ばれる存在。

彼の性格は無愛想でぶっきらぼう、馴れ合うのを嫌うような人付き合いが下手で……

歯に衣着せぬ性格は彼を周りから遠ざけた。

糸師冴は学校では孤独であった。

ただ、彼にとって孤独というモノは居心地がよかった。

彼はサッカーに生き、自身の夢、世界一のストライカーになること以外に価値を見出だせなかった。



糸師冴は今までたった一人で静かに夜空の星を見つめていた。

その輝きは鈍く、あっという間に闇に呑み込まれてしまいそうなほどに儚い。

そんな彼の隣に現れたのは、彼と同じように孤独なサッカーの天才だった。

彼女が現れてからというもの、彼女は誰にも踏み込めなかった彼の領域に入り、彼の心に触れた。

孤独という居心地の良かった場所は突如として奪われた。

けれど、まだ若き彼らは例えふたりで居たとしても、天才ゆえの孤独は拭えきれない。

だからこそお互いが補い合う存在となり、寄り添っている。


彼女から重ねられたその手を糸師冴は握り返した。

天才同士の出会い。→

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