第12話 ページ13
Aは武道と付き合うようになった。
Aは忙しいため、中々休みを取ることが出来ないが、休みを取れたり、時間が空けば、その時間はすべて武道のために使った。
「武道くん、相変わらず部屋汚いね……」
「はは……俺片付けるの下手でさ……」
「手伝うよ。ふたりでやったほうが早いし、得意だから!」
「ありがとう、Aちゃん。」
「困ったときはお互い様だよ、さっ、頑張ろう!」
本当にここは物で溢れかえってる。
君は整理整頓が昔っから苦手だからね。
小学生の時も中学生の時も、机の中はクシャクシャのプリントがいっぱい詰まってたっけ。
懐かしいな。
「武道くん、ここに入ってるやついる?いるかいらないか仕分けしてもらいたいんだけど……」
ダンボールを持って武道くんのところにいくと、彼はどうやら、アルバムを見ているようだった。
「あ、ごめん、なに?」
「これ仕分けしてね。いるいらないはハッキリしてね。それ、中学の時のアルバム?」
「そう。懐かしいな、この時の。」
「そうね。武道くんなんて金髪でリーゼントだものね。」
「ちょ、恥ずかしいから笑わないで!!」
クスクスと笑うAに慌てる武道。
あ……
ヒナちゃんだ。
武道くんが数ページ開いた先に、載っていた。
そこでヒナちゃんを見つけたとき、彼も同時に見つけたみたいで。
「……」
武道くんの顔が変わった。
その悲しそうな横顔に、ちくりと胸が痛んだ。
「ごめん!ぼーっとしてた!続きやろうか!」
「うん。」
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年10月20日 21時