第6話 ページ7
「今日は特別にトランプ占いやってやるよ」
「ほんとに!?」
「ああ。イヌピーは占いとか信じなくてよ、いっつも相手にしてくんねぇんだよなー。」
「えー…兄ちゃんひどい…じゃあ色んなこと占ってねー!」
「いいぜ。じゃあ最初は…」
*******
「占い楽しいね!図書館にもうらないの本いっぱいあるから、今度借りて次は私がココ君を占ってあげるね。」
「頼むわ。てかAちゃんも図書館よく行くのか?」
「うん!いつか一緒に行こうね!」
「ああ。」
******
翌日。
「Aはまだ帰ってきてないわ。今頃は下校時間だからそろそろ…」
「ただいまおばあちゃん!あっ、ココ君…!」
「よっ。」
「聞いて聞いて!今日は早退せずにちゃんと学校行けたんだ!それでね、見せたいものがあるの!」
こっちだよ!と手を引っ張るAちゃん。
普段彼女は学校を早退したり休みがち。
こうしてランドセルを背負う彼女はとても新鮮だ。
犬の首に綺麗につけられたシロツメクサの花冠を指差す彼女。
「綺麗でしょ?私が頑張って作ったの!それでね…」
鞄から何かを取り出すと後ろ手に隠してモジモジするAちゃん。
「はい!これあげる。ココ君のために頑張って作った!」
「俺に?」
「うん。」
「へぇ。器用だな。よく出来てる。」
「ホントはね、何度もやり直したの。手先も器用じゃなくてぶきっちょだから…」
「ん。大事にする。」
頭を優しくなでてあげる。
「…ココ君。」
「…?どうした?」
「私ね、ココ君のことが大好き!!これからもずーっとずーっと!ココ君が来てくれてから毎日楽しい。ココ君がいるとね、大丈夫だよってむりやり笑わなくていい。だからね、私が大っきくなったら私をお嫁さんにしてください!」
「…!!!」
"赤音さん、オレ…一生好きだから…!大人になったら俺と結婚してください!!!"
ランドセルを背負って俺を見つめるAちゃんが、あの日の俺と重なって見えた。
赤音さんにそっくりな彼女の妹。
そしてこの子は赤音さんに未練のある、金を得るなら何でもするような、ろくでもない男である俺のところへ来ようとしてる。
俺と同じ運命を辿ろうとしてる。
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桜花(プロフ) - 月華さん» 読んでいただき本当にありがとうございました!!ココ君の気持ちからしても主人公からしても辛いお話でした。切ないお話は初でしたので沢山考えて頑張りました! (2022年8月1日 5時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 桜花さん» 切なくてそれでも温かいお話でした。夢主ちゃんと結ばれて欲しいような気もしましたがそれではココくんはずっと赤音さんを切れないんだろうなと。素敵なお話しありがとうございました。 (2022年8月1日 2時) (レス) @page39 id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 雪海さん» この物語もいよいよ終盤に向かってきてますね…最後までお付き合い下さいませ! (2022年6月26日 11時) (レス) @page27 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
雪海(プロフ) - うう…切ない (2022年6月26日 10時) (レス) @page27 id: ea036f2a24 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 引きこもり隊さん» プレゼントの渡し方はこれがロマンチックかなって思ってましたっ!!こういう雰囲気いいですよね!!! (2022年6月22日 21時) (レス) @page22 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年5月28日 19時