笑う君と寒い空。 ページ27
次の日。
「あるじさま!ぼくがんばってにげきってみせますよ!」
「おう今つるちゃん!頑張れー!!」
「はーい!」
「九鬼、手加減はしないよ?」
「が、頑張る!」
今日は短刀鬼ごっこ。(ケイドロ)鬼は日向、厚、薬研、信濃、平野、包丁がすることになった。あとは全員逃げる。
そして始まった。
「お!九鬼みーっけ!」
「げっ!厚だ!」
「げってなんだよ!?」
「よっと…!」
うまく避けて逃げる九鬼。
「…なんなんだあの速さは…」
「仕方ないよ、九鬼は機動が高いもの。大将も期待してくれてるんだから、九鬼は後にして、俺たち警察は、泥棒さんを全員逮捕しようよ!!」
「だな!行こうぜ、日向!」
「…いや、僕は九鬼を捕まえるよ。」
「ん、そっか!じゃあ頼んだ!」
「任せて。上手く捕まえて見せるから。」
さて…
「悪い泥棒さんは僕たち警察が逮捕してあげなくちゃね。」
九鬼side
「ふう…ここまで来れば。」
私は百合の花畑に来ていた。今のところ誰もいない。
その時。
「九鬼、みーつけた。」
「!?日向!いつからそこに!?」
気付けば真後ろに日向が迫っていた。全然気付かなかった…じゃなくて!
「ヤバイヤバイヤバイ!」
ジクザクに走る。けど…
「タッチ!ほら、九鬼、捕まえた。」
「速いよ…っふふ。」
日向は捕まえるとき、私の首元辺りに手を回して後ろからギュッと抱きついた。私は対応しきれずに二人同時に倒れて大きな声で笑う。
雪が積もってて、白い百合と同じ色で…ここだけなんだか違う世界みたい。
「寒いね、日向!」
「そうだね、今日はよく冷えてる。」
「うーん…気づいてくれないか。」
ボソッと呟いた。
「え?」
私は、日向みたいに言葉で上手く話すのが苦手。それなら、素直に伝えよう。
私は着ていたコートを脱いだ。
「九鬼!風邪ひくよ…!」
私は震える両手を広げて、精一杯の笑顔で。
「日向、ぎゅーってしてください。」
http://uranai.nosv.org/uploader/common/6/e/d/6edc1348497d3ffc81ba292eca5f933b.jpg
「…!」
真っ赤になりながらも正面から私にぎゅーってしてくれる。
「九鬼、寒くない?」
「うん。お兄ちゃんが、日向が、ぎゅーってしてくれてるから。」
大好きだよ日向。こうして、楽しい思い出を共有できるなら、こんな寒い日も、たまには悪くないね。
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桜花(プロフ) - 今まで連載を見てくださった方々、本当にありがとうございました。ここで、日向正宗と双子の物語。は完結です。本当にありがとうございました!! (2019年10月13日 14時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» 初めていただいたリクエストを書いたのですが…どうでしょうか?可愛い路線にしたのですが…!嘘月さんのご期待に応えられるように頑張ります! (2019年1月2日 22時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» あけましておめでとうございます!そしてレスありがとうございます!お餅つきですね!頑張ります!! (2019年1月2日 12時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
嘘月(プロフ) - 桜花さん» あけましておめでとうございます!!ネタ、なのですが、餅つき、とかいかがでしょう? (2019年1月2日 12時) (レス) id: 330b7fd244 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん!お友達申請まで…!!本当にありがとうございます!それと、もしよろしければ、ストーリーのリクエストをいただけませんか?よろしければなので、もし無くても気にしないでください! (2018年12月28日 19時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2018年11月3日 20時