話し合い ページ17
.
『...ただいま』
リビングに行くとテーブルにご飯が並んでいる。が簓の姿が見当たらない。
『簓?』
簓の部屋にも僕の部屋にもいない。
リビングに戻ってくるとポケットに入れていた携帯が震えた。
簓[明日の昼には帰るから]
と一言だけ。
[どこいってるん?]
[何しとる?]
[返事ぐらいしてや?]
送っても既読だけしかつかなかった。
ピピピピ ピピピピ
『ん...』
洗面所で冷水を顔に当てて目を覚ます。
朝ごはんを終えて簓との連絡画面を見るが昨日と何も変わってなかった。
どこにいるのか、何をしているのか、わからない時。人はこんなにも無力なんだと知らしめてくる。
多分、僕が中王区にいた時の簓はこんな気持ちだったのだろうか。
11時30分
玄関のドアが開く音がする。
簓「ただいまぁ」
『...どこいってたん』
簓「ちょっくら、イケブクロとヨコハマの方にな」
『なんでイケブクロとヨコハマ?』
簓「まぁまぁ詳しい話はあとや。なんか食べに行こか」
『ご飯作ってるから』
簓「!...そっか、じゃあ食べよか」
テーブルに向き合うように座って、手を合してから食べ始める。
『話あるけどいい?』
簓「どしたん?」
『中王区...で働けって言われた』
言葉にした瞬間、簓のご飯を食べてた手が止まった。
簓「...で、りつはなんて返したん?」
『まだ学生だから無理って言ったら、こっちで補うし住むところも用意してるって』
簓「...俺からお願いがあるねんけど」
『...うん』
簓「中王区の奴らになんか言われても絶対に耳貸さんといてな?」
『うん』
______________________________________
私も春休みに入りました。
推しの夢小説を見るのが日課になりつつあります。
凛海
54人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凛海 | 作成日時:2020年12月12日 19時