31.追跡 ページ2
チョロ松side
翌日。
企てた計画通りに、昼過ぎからおそ松兄さん以外の五人で赤塚駅周辺で待ち伏せをしていた。
北口にカラ松兄さん、僕
西口に一松、十四松、トド松
現在時刻は午後3時30分過ぎ。
学校終わりと思われる学生はあまり見かけない。
ちらほら見かけるくらいだ。
カ「…なぁ、本当にAちゃんをつけていくのか?」
チ「あ、当たり前じゃん!逆にさ、それくらいしか手立てが無いんだよ。
今朝確認してもメッセージアプリの既読すら無いし、電話掛けてもフル無視だし。」
カ「そうか… 俺も一応さっきメッセージを送ったんだが、同じく既読すら付かないんだ。」
チ「カラ松兄さんもか。…おそ松兄さん、何考えてるんだろ…」
スマホのロックを解除して某LI○Eを開くとまだ既読が付かないおそ松兄さんとのトークルームを開いた。
最終返信は4日前。
パチンコの軍資金が無いから貸して!というものだった。
…本当に都合の良いヤツだ。
はぁ…と深く溜息をついた瞬間、カラ松兄さんに腕を引っ張られた。
チ「え、どうかしたの?」
カ「…改札のあたり、前に会ったAちゃんにとても似ている子が居るんだが…」
チ「!?え、本当!?」
カ「あ、あぁ!きっと間違いない。あのmysteriousで一際輝くgirlはAちゃんだ!」
チ「ちょ、訳分かんない事言ってないで行くよ!…カラ松はあいつらに連絡しといて!僕が先に追いかけるから。」
よろしく!とカラ松兄さんに一松たちへの連絡を任せ、北口に向かうAちゃんの後ろをなるべく自然な感じを装い着いていった。
駅から数百メートルが過ぎた頃。
住宅地やアパートが並ぶ入り組んだ場所へと来た。
近くにおそ松兄さんがパチンコ屋に行くときに通る公園も見えた。
気付かれないように…気付かれないように…
気配を消して、息を潜めながら一定の距離を保って着いて行く。
Aちゃんの歩く足が止まった。
それは一軒のごく普通なアパートの前。Aちゃんは階段を上がり、二階の一番奥の個室へと入って行った。
チ「(ここか…?)」
まだ確信は持てない。
スマホカメラのズーム機能で、アパートの個室の表札を確認すると「橘」の文字が確認出来た。
ここだ。
一息付くと、トド松に現在地のスクショ画像をLI○Eで送りカラ松兄さんと弟を待つ事にした。
*
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作者名:小鳥遊未來 | 作成日時:2019年9月8日 13時