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平野side
高橋「ねぇねぇ!ちょっといいこと知っちゃったんだけど!」
生徒会室に入ってくるなりいきなり海人がそう言った。
神宮寺「何?いいことって。」
高橋「転校生の永瀬廉くんいたじゃん、その子紫耀のこと探してたの!」
「え…。」
まさか、廉がこの学校にいるのか?
でも、廉は引っ越して行ったはず。
もしかして戻ってきたのか。
「廉は?今どこにいる?」
高橋「先生のとこに出さないといけないものがあるらしくてそれ出してから生徒会室来るって。もうすぐ来る頃だと思うけど。」
その時、トントンと控えめにノックされたドアが開いた。
「失礼しまーす。」
ドアから顔を出したのはあの頃より大人の顔になった廉だった。
「廉っ…。」
「紫耀、」
廉は俺の顔を見ると昔みたいな安心した顔を見せてくれた。
俺はすぐに廉のところまで歩み寄った。
成長した廉は身長は伸びたけどあとすこし俺に届いていない、まだまだ子供だった。
それでも、美人という言葉が似合いすぎるくらいに整った顔は昔とは大違いなくらい大人びていた。
「大きくなったな。」
頭を撫でてやればその手に擦り寄ってくるくせはあの頃のままだった。
「紫耀もめっちゃかっこいい…。」
そんな風に照れながら頬を赤らめながら言う廉は可愛くて仕方なかった。
「そう?また廉に会えた時にかっこいいって思って貰えるように頑張ってて良かったよ。」
?「おつかれー!って、え?」
そんな甘い雰囲気を打ち消したのが何を隠そう岸くんだった。
高橋「もう岸くん!今めっちゃいいとこだったじゃん!」
岸「さっせ!」
神宮寺「それより、2人は知り合いだったの?」
「うん、廉はもともと幼なじみで仲良かったんだけど、中学の途中で引っ越してたからそれから会ってなかったんだ。」
高橋「何それ!?運命じゃん!」
運命、俺たちは本当に運命で結ばれているのだろうか。
確かに俺は廉のことを愛していて、運命を信じてきたが、廉はきっと俺の事を兄的存在としか思っていない。
悲しい現実だわ。
「そういえば、廉、前の家に戻ってきたのか?」
「そうねん。やからまた紫耀のうちの隣やで。」
「そっか、じゃあ、今日は一緒に帰ろうか。」
「ええの?紫耀まだお仕事あるんやないの?」
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作者名:ぬん | 作成日時:2020年11月22日 23時