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「 あっ、重力お化け 」

「 はァア!?テメェ誰に向かって口聞いてんだこのチビ!潰されてェのか!? 」

「 失礼な!中也くんとそんなに身長変わらないでしょう! 」


首領室。森の机から飛び降りた川端は失言に気が付くと、あ、と声を上げて口を片手で覆った。途端、川端が反応する間もなく中原が両の手で机に手をついて彼女を閉じ込めた為、逃げ場を無くした川端はその怒気に右往左往するしか無かった。


「 おいテメェ 」

「 な、なに、近いのだけど 」

「 俺はこれから伸びンだよ 」

「 え 」


まだ15歳じゃねえか、と言う言葉に目をまるくした川端は、驚いて後ろの机についた手を滑らせた。危ねェ!、なんて言葉と共に手首を掴みあげられて、またまた目をまるくする。


「 えっと、あの 」

「 あァ!?本ッ当見てて危なっかしいンだよテメェは…………あ、 」


そう云えば、この人の手を初めてじっくり見たかもしれない。今の恥ずかしい状況に赤くなって其の儘固まる、掴まれた儘の中原の手は、川端が思っていたよりもずっと大きかった。

太宰も中也くんもポケットに手を入れた儘戦うから見ていて怖い、と常に川端は思っている。太宰なんて____


「 あああ!何してるの中也君っ、Aから離れてくれ給え! 」


噂をすれば。執務室の扉を大きく開けて入ってきたのは太宰治である。つかつかと歩み寄ってきた太宰は中原の肩を少し引いてにこりと笑う。


「 どうせあんなことやこんなことをしようなんて考えていたのだろうっ、中也君のえっち! 」

「 なっ、テメェ!そんなこと微塵も考えてねェよッ!テメェの部下ならもっと危ねェことしねえように教育しろッてんだよ 」

「 私、太宰の部下じゃないけど 」


川端の視界の中で、閉まっていた執務室の扉の引手が少し動いて、元の位置に戻る。入ってくれば良いのに、なんて川端は思う。


「 私たち、マフィアには未だ入ってなくて森さんの協力者って立場だし、太宰は太宰で私は私だよ!それに、中也くんは中也くん。ポートマフィアに入ろうと、そうじゃなかろうとね 」


少し笑いながらそう云うと、太宰は不思議そうに目をまるくしてから、ふ、と唇から息を漏らして笑い伏せた。


「 ねえ、A。君って本当に…… 」

「 太宰? 」

「 ……俺はマフィアなんざ入る気はねェよ 」


顔を背けた中原を、仕事の時間だよと太宰が引っ張って行く。部屋を出た後もまだ喧嘩の声が聞こえて、開いた扉から顔を出した森はにこにこと笑っていた。


「 随分、あの子を気に入っているね、君 」

「 ……へへ 」



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ねむい(プロフ) - kuroさん» こんにちは、本当にありがとうございます!とても励みになります!これからもどうぞよろしくお願い致します! (2020年1月24日 23時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - この先の展開がとても気になります!更新頑張ってください! (2020年1月24日 8時) (レス) id: f9572c4e12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむい | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年1月19日 23時

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