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「 」/0 ページ22

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「 人の嫌がることは、進んでしましょう 」

「 はあい 」「 はい 」


無邪気に手を挙げて返事をした、濡羽色の髪の少女。隣には左目のあたりに包帯を巻いた少年。少年は14、5歳程だろうが、少女は其れよりも齢が少なく見える。


「 元気で宜しい! 」


少しだらしなさそうな見た目の、街医者。の様に見える男は、この街の裏側を牛耳る主権、ポートマフィアの新人指導者。

ついこの間、気道確保の為に手術をしたと偽装して、この二人のこども(、、、、、、)の目の前で先代首領の首を掻っ切ったばかりである。


「 ねえ、この子と僕を消さないで、とっておく心算なの?自 殺がしたい僕を選んだのは良いチョイスだ、まあ今死んでないのだから計算違いだけれどね。でもこの子は 」

「 太宰君。____心配しなくても、川端君はあの時のことを“日常の一コマ”としか思っちゃあいないさ。そうだろう? 」

「 お褒めの言葉、きょうえつしごく、です! 」


黒い外套を羽織った少女が、そのあどけなさを既に捨ててしまった端正な顔を微笑みに塗り替える。
少し感動したように目を潤ませた街医者は、「 わあ、そんな難しい言葉を覚えたのかい!偉いねえ可愛いねえ 」なんて云いながら少女の柔らかい髪を優しく梳いた。

少し擽ったがっている少女を面白く無さそうに引き寄せて、少年は続ける。こうして見ると、少女の体は随分と小柄だった。


「 其れは中々良い判断をしたね、なんて云いたい所だけれども。この子が、____この、川端Aが。其れを“日常の一コマ”としか思って居ないならば、余計口封じをするべきだ。彼女は純真で無垢な少女だし、うっかり周りに喋ってしまうことも有り得る。だから……まあ最も、そんなことになったら僕も一緒に死ぬけれどね、森さん 」

「 おや…………随分とご執心だねえ。だが、君はひとつ重大な間違いを犯してる。何だか解るかい? 」


街医者は今一度椅子に深く腰掛けて、少女と少年を代わる代わる見た。まるで流鏑馬(やぶさめ)で的の真ん中に吸い込まれるようにして刺さる矢のような視線に、少女は依然として笑った儘である。


「 何? 」

「 ____純真で、無垢に見えるかい、その子が 」

「 わあ、その発言、いつかAに刺されて仕舞え 」

「 ふふ、君に刺されて死ぬなら本望だ、川端君 」

「 ほんとうにさっきから眠たくなる話ばっかり!森さんはもっと頑張ってお仕事して、太宰は無駄に死にたがらないで、面倒くさい!心配しなくても私を消したら百、否、千代先まで呪ってやるから! 」



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「 」/1→←毒を以て毒を制す/5



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ねむい(プロフ) - kuroさん» こんにちは、本当にありがとうございます!とても励みになります!これからもどうぞよろしくお願い致します! (2020年1月24日 23時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - この先の展開がとても気になります!更新頑張ってください! (2020年1月24日 8時) (レス) id: f9572c4e12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむい | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年1月19日 23時

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