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「 糞ッ、こんなんじゃ安心してチョコレヰトも食べれない、チョコレヰトを食べない私なんて私じゃない…… 」

【 おいッ、そんなこと云ってる場合か!テメェ怪我したんだろうが、黙って休んでろ! 】

「 ……ああ、五月蝿いなあもうっ!中也は私の直属の上司じゃない(、、、、)んだから黙っててよね! 」

【 だったら……太宰(、、)の言葉だったら休戦するか、テメェ 】

「 太宰はそうは云わないでしょ、何たって今は“竜頭抗争”真っ盛り何だから、闘える人間の数で負けた方が負けるのだろうし 」


通信が切れる音がする。遠くからバイクのエンジン音。一寸かっこいい真っ赤な彼の愛車だろうか。血が染み込んだアスファルトの上、少し歩くだけで死体の山が目に入る。
耳元で音がして、通信が繋がる。嗚呼矢っ張り、数年前よりも声が低くなったよなあ。


【 __A、聞こえてる? 】

「 太宰!今何処にいるの 」

【 まあ私のことは心配しなくても良い、君は自分のことを心配し給え。よく聞けA、今君のいる所はもう時期駄目になる。中也か…………嗚呼、()と合流するんだ 】

「 でも 」

【 心配するな、大丈夫だから。……中也から聞いたよ、怪我したんだって? 】

「 ……はい 」

【 まあ君の事だから、転んだとかそういう類何だろうけど……帰ったら手当してあげるから、Aは先に拠点に帰れ 】


通信が途絶える。川端は、はあいと小さく返事をして歩き出した。そう、川端の眉間から流れる血は、彼女が転んで顔面からアスファルトに倒れた為である。決して撃たれたとかそういうことでは無く。


「 あ、いた! 」

「 ……A 」


暫く歩いて、太宰が合流しろと云った、その人のところに漸く辿り着いた。垢抜けた色のトレンチコート。ごつごつとした大きな手に握られた銃。


「 織田作! 」


( ____織田作?ああ、これ…………夢か )


「 怪我をしたと聞いたが、撃たれたのか? 」


( さっき見た、あの場面も、あの場面も……全部、夢だったのか )


「 外套を、ね 」


これは転んだの、と川端は笑った。過去のことを全く其の儘映した夢に、懐かしさで体の奥から胃液が込み上げそうになった。唇が勝手に動いてあの時と全く同じ言葉を繰り返す。


「 外套をか 」

「 そう。太宰から貰ったものなのに、穴を開けてしまった、怒られちゃいそうだね 」

「 その時は縫えばいい 」

「 わあ!その手があったか、織田作できる? 」

「 ……安吾に頼むか 」



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ねむい(プロフ) - kuroさん» こんにちは、本当にありがとうございます!とても励みになります!これからもどうぞよろしくお願い致します! (2020年1月24日 23時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - この先の展開がとても気になります!更新頑張ってください! (2020年1月24日 8時) (レス) id: f9572c4e12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむい | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年1月19日 23時

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