アサガオのはな ページ4
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何故此処に？
黒い世界を沈みながら彷徨い、そんなことを思う。あの一瞬で意識が飛んだ、若しかしたらこれは夢なのかもしれない。
それでもはっきり捉えた彼の人の青い目は、今日の広い空を連想させるようで。白い病室が写り込んでいて、まるで空に蔓延る入道雲のようにそれはそれは綺麗な眺めであった。
残り少ない人生、神様が与えてくれた
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_____何かに吸われるかのような感覚に目を覚ます。傍に置いてあった 聖書 はいつの間にやら頭の上に移動していた。悶えた形跡を見、重い体を起こして耳を引っ張る。
「 痛っ 」
「 あ、起きた 」
いたくて、現実だと安心して、また目を閉じようとした矢先、声の主は私の顔を覗き込んだ。青く澄み渡った瞳から空白はログアウトして、その人は口の端に端正な笑みを滲ませた。
まるで、安心したかのような笑みだ。私が目覚めて良かったとでも言うような。
「 あんたさぁ、俺の顔見るなり倒れこむんだから。ただ探してる人を尋ねようとしただけなのに余計に時間がかかっちゃってさぁ…？ 」
「 な、ぜ、ここに… 」
これが、 瀬名泉 との出会いだ。運命的などと嘯くつもりはない。ただ、あまりにも偶然な出会いに卒倒してしまっただけであって、この人は私と違ってしっかりと歩んでいるのだと。世界から弾き出されることもなく、羨ましいくらいに真っ直ぐな道を歩いている、この当時はそんなことを考えていた。
ただ、後に彼に訪れる不幸とか、私を嗤った運命も全部全部含めて愛せたのなら、互いに知らないふりをすることもなく過ごせたのだろうと思う。
意地の悪い神様は自分の勤めを果たそうと、そんなことに見向きもせず天界を歩いていただけだ。決定的な言葉を発することもせずただただ一人、呑気に。
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朝だけに咲くその花のように、本来の役割を誤魔化していただけだ。花みたいに美しくなんてなく、それでも美しくあろうとしただけだ。
孤独だったのは彼女だけではない、彼もそうであった。一番近いのに他人のような存在、狂気的なストーリーから目を背けて、薄い１ページを捲る。
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作者名：ねむい | 作者ホームページ：
作成日時：2018年4月25日 5時
