第76話 ページ35
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『死んで、もらえないかな?』
私はそう言うと、銃口を母と姉と兄に向けた。
ポタポタ
大粒の涙を流しながら……
母「A……」
『わ、私は……貴方達が大っ嫌いだった。奴 隷に酷いことをし、私をここまで苦しめ、みんなが怯えるほどのようなことをした、そんな貴方達が大っ嫌いだった。
でも、大好きでもあった。私に美味しいご飯を食べさせてくれたお母様、私が欲しいと言ったものを買ってくれたお父様、私と一緒に遊んでくれた姉上、兄上。
大っ嫌い大っ嫌いって言ってたけど、殺したいほど嫌いじゃなかった。
でも、私の仕事は……奴 隷が居る組織を潰すこと。だから、加藤ファミリーを潰さないといけない。
ごめんなさい……ごめんなさい……』
私はそう言うと、更に大粒の涙を流した。
すると、突然……
『ッ!?』
母が、私の頭を撫でてきた。
『お、お母様…!』
母「安心して、私は貴女を殺したりしない。もちろん、貴女の仲間も。」
『え?』
母「私達は、今まで奴 隷に酷いことをしてきた。奴 隷を人間としてではなく、道具として扱い、色んな所でこきを使った。
でも、それはいけないことだって、Aのおかげで気づけたよ。
奴 隷は、道具ではなく人間。私達と同じなんだって。」
『お母様……』
母「A……
私を、殺しなさい。」
『えッ』
母「私は、もう1度人生をやり直したい。だからまずは、この世から消えて頭を冷やしたい。」
姉「お母さんがそう言うなら、私も。」
兄「俺もそうするよ。」
なんで……なんでOKするの……
『断っても……良かったのに……』
母「断ったら、また貴女を苦しめてしまうわ。」
姉「そうよ。貴女はまだ若いんだから、楽しく生きないと。」
兄「うんうん。」
私、忘れてた。
私の家族は、昔と変わらない優しい人達だったってことを。
私は……どうしてこのことに気づかなかったんだろ……
母「さぁ、A。私達を殺しなさい。」
でも、私の仕事は奴 隷が居る組織を潰すこと。
例え、私の大好きな家族でも……
殺さなくては、いけない。
『さようなら。お母さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん。』
バンッ バンッ バンッ
私はそう言うと、銃を3発撃った。
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まなたん - めちゃくちゃ良くて読んでる途中で勝手に涙がぁぁぁぁぁ( ;∀;)最後とかもう...脱水症状起こしちゃうよぉ( ;∀;)良き物語を作ってくれて、ありがとうございます( ;∀;)←泣いてばかりやなw (2019年1月18日 3時) (レス) id: a0ca9a33f5 (このIDを非表示/違反報告)
ずーしく(プロフ) - ひなさん» そう言ってくださってとても嬉しいです!ありがとうございます!小説の中でおそ松が“ある事”をすると言っていましたよね?実はその続きで、6つ子は親に会いに行きたいと夢主に言ったのです。それが夢主と6つ子の約束です!説明下手ですみません。 (2018年6月30日 21時) (レス) id: 1d9ccb178d (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - すごくいい作品だった!あと、最後の俺たちの約束ってなに?めっちゃ気になる! (2018年6月17日 17時) (レス) id: 9b800d69ba (このIDを非表示/違反報告)
ずーしく(プロフ) - れいさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました!是非、他の作品も読んでみてください! (2018年6月17日 15時) (レス) id: 1d9ccb178d (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 今見終わりました、めっちゃ面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年6月13日 7時) (レス) id: 2a9c9cc493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:CATHERINE | 作成日時:2018年4月1日 8時