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静かな部屋に、シャカシャカと歯ブラシを動かす音が反響する。
そこに、ディアボロが起きてきて、私とヴァレンタインの現状を確認すると悲鳴に近い声を上げた。
「きっ貴様等、何をォ――ッ!?」
と。

「んっ…ひがいまひふ、ひあほろはん!ひがうんへす!」
弁解の言葉を発するが、口の中で溢れんばかりに存在を主張する泡によって声が曇る。
「私がAの歯を磨いている。それだけだ」
淡々とそう説明するヴァレンタインに、
「簡単に言うな!」
とディアボロがツッコミを入れた。

「さぁA、口を濯ぎに行こうか」
シャカシャカという単調な音が止み、代わりにそう言うヴァレンタインの声が聞こえる…
「わあいまひ……」
そこまで言いかけて、開いた口を閉じ、無言で頷くと、私は洗面所で口を濯いだ。


「ファニーさん!教えていただければ、私、自分でできたのに…………」
やってもらったのに、何故文句を言っているのか。そんな思考が一瞬頭をよぎり、紡いだ言葉途切れる。
「だが、スッキリしただろう?」
そう言われ、恥ずかしながら、俯きつつ頷く。

「何処か出かけるのか?」
ディアボロが、水を一杯飲んだ後にそう言う。
「ディエゴさんが有馬記念の大会に出場するそうなので、見に行くんです」
口元を拭きつつ言えば、「そうか…」と少し考えるように遠くを見つめてディアボロはそう言った。

「よかったら、ディアボロさんも一緒に行きませんか?私は未成年なんで馬券は買えないですけど……」
笑いかけると、
「そうだな、Aがそう言うのなら俺も行こう」
と、やんわりと微笑みを返してくれた。

「行くのなら、お前はその変な服装をどうにかしないといけないな」
「そう言うお前も、変装しないとだな、大統領」
お互い皮肉を言いつつ、準備を進める。


この時の私は、ディアボロを誘ったこの行動が、後に大きな波乱を巻き起こすだなんて、知りもしなかった。

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もやし。(プロフ) - オタクさん» コメントありがとうございます!そうなんですよね…周りに7部分かる人が少なくて、大統領推しがいないんですよ……高校受験!応援してますね! (2020年10月6日 19時) (レス) id: dd72e70a86 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - ボスの推し四人共に私と一緒なんで嬉しかったです!特に大統領推しがいなくて(そもそもジョジョ知っている人が居ないんですが)高校受験なのでこれ見て頑張ろうと思いました! (2020年10月6日 0時) (レス) id: 5bcc3d1fdd (このIDを非表示/違反報告)
もやし。(プロフ) - 裕華さん» なんと!親近感!ありがとうございますwでも、結構前の絵なんで、今のとは若干違うかもです(((^_^;) (2016年6月24日 17時) (レス) id: 06cd7e30ba (このIDを非表示/違反報告)
裕華 - もやし。さんの絵が私の絵に似ていてなんか親近感わくww (2016年6月24日 17時) (レス) id: d6370e6be5 (このIDを非表示/違反報告)
もやし。(プロフ) - 令さん» 納得していただけて良かったです! (2016年4月5日 13時) (レス) id: 06cd7e30ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もやし。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2016年2月26日 1時

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