北信介とシちゃったら

09* ページ10

『…うん、私もすき…！ 隣に、いさせてください』





「……やっと言ってくれたな」






北くんは満足気に目を細めて、私の頬に手を添えた。





言ったって、何を？






そんな大層なこと、言った？







北くんの言葉について考えるけれどよく分からず、




ポカーンと呑気に北くんの顔を見つめてしまう。






そんな私を幸せそうに見つめる北くん。








「好きって」






『あ、』






「言って貰えると、こんなに嬉しいもんなんや」









首元に手を添え




照れくさそうにそう言う北くん。








あぁ、愛おしいなぁ。






北くんが好きって気持ちで、



満たされていくのが分かる。









『北くん』





「ん？」









『すき』







「…反則やろ」





膝に頭をつけて、項垂れてしまった北くん。






こんなに取り乱した北くんは




うちしか見れないんやろな。






ええな。これってすごく幸せな事や。









『やって、北くんを赤面させるチャンスなんか他にあらへんもん』






「Aが隣にいるなら、こんなんいつでも見れるようになるやろ」





『あはは。せやろか』





「やって、俺の彼女やもん」








『せや。彼女やな』






「おん」







2人で小さく好きって言って、幸せだねって笑う。







『ん？ 拍手？』




「…まさか」








縮こまって笑い合っていると、



どこからともなく拍手が聞こえる。









音のする方へ体を向けると





ミヤアツムくんを初めとする4人組が




ボロボロ涙を流して拍手をしていた。

エピローグ*北信介とシちゃったら→←08*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す