その温かさは知らない【srr】

由梨 side ページ37

由梨 side


Aを部屋まで送り、ほっと息をつく



Aは小学校から一緒の大親友だ


だからお互いのことをよく知っている



Aは引っ込み思案な性格だけど私は真逆だと思う

顔だってAの次くらいには可愛いと思っている



え、そこは自分が一番可愛いって言うところじゃないの？って？



何言ってんの。Aが宇宙で一番可愛いでしょ




まぁ、この話は置いといて…だから中学校に入ってからの時は彼氏がいたりもした




でも...Aが男性恐怖症になって私は恋愛をやめた



酷く傷ついたAを見捨てるなんて呼吸を止めるのが無理なくらい無理だった



Aを放って恋愛なんて出来ない、と思った



そんなAが今勇気を出している...7年前の自分を取り戻しに行ってる



それを思うと涙が出てきた...





あ「あ、由梨ちゃんおつかれ〜って、え！

泣いてるの！？」




やばい、よりによって天宮さんに出くわしてしまった



由梨「天宮さん...これはなんでもないんです」



あ「いや放っておけない。来て」




すぐそこの部屋に連れ込まれた




由梨「ちょっと！！」



あ「由梨ちゃんさ、Aちゃんのためを思って恋愛してないんでしょ？」



由梨「え...」



なんで知って...



あ「前に店長と話してるの聞いちゃって


「私、恋愛はいいんです」って


きっとAちゃんの為なんだね

自分は恋愛しちゃいけないんだーって思ってるんでしょ」





なんで分かっちゃうの...






由梨「でも本当にいい人がいないのも事実ですから」




あ「そっか..いい人が現れるといいね

それじゃ俺は寝るよ！おやすみ〜」




そう言って天宮さんは部屋に戻った







重たかった私の悩みを半分持ってくれた気がして不思議と心は軽かった

●→←●

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す