その温かさは知らない【srr】

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まただ……この温かさ



最近感じることは無かったのに……



安心する、落ち着く、そんな温かさ




涙が零れそうになる、このままずっと包まれていたい




『お母さん……』








涙が目尻から流れる感触で目を覚ました






あっ、この部屋見覚えある……




気絶から目を覚ましたばかりの脳はぼーっとしていて上手く状況を把握出来ない





私、確か倒れて……あれ、なんでだっけ…そうだ、彼方さんに腕を掴まれて…




あっこの部屋、彼方さんの部屋だ！




さっきの温かさがものすごく恋しい


この布団のおかげなのかな



って……また運ばれたの？







そ「あ、起きた？」





『すみませんでした！あの私帰りますね！』





そ「待って！！！」





彼方さんはそう言うと両手を広げて出口を塞いだ




あの時の景色がフラッシュバックして私はその場に座り込んだ






『や、やめて…やめてくださ…』





そ「俺はAさんになんの危害も加えない！ここから近づかない！だから教えてよ…」




『教えて……？なにを……』





そ「Aさんが女性専用車両に乗る理由！あの日公園で体調悪そうにしてた理由！俺の前で2度も倒れた理由！知りたいんだよ君のこと……」




『知ったところで…』




そ「わかってる、自己満足だ


でも触れさせて、君の心に」





彼方さんは懇願するようにそこにしゃがみ込んだ




心に触れたい……かぁ









『分かりました……でも、本当にそれ以上…近づかないでください。

私も彼方さんのこと、傷つけたいわけじゃないので』




私は深呼吸をして、ゆっくりゆっくり話し始めた

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