私が帰る場所【skt】

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坂田 side


Aが家を出てから一人で考えてた


最初は家出してるってことも気まぐれだと思った


親と昨日喧嘩して...的なことやと思った




でもあの口ぶりと態度は多分ずっっと前からあぁなんやろう



普通の価値観が俺らとずっと違う



男の人の家に泊まるためにはするのが当たり前やろうし、今までもしてきたんやろう



喧嘩だって、きっと慣れてる



当たり前だって顔してた



彼女の目が澱んで見えたのは...そういう色んなものが自然と蓄積した証



考えすぎって言われたっていい


お節介過ぎでいい



Aをこれ以上そのままにしておけなかった



あの場で帰したら、きっとまた泊めてくれる人を探しに行っていた



だからせめて、あの子が普通を取り戻すまで



自分を大切だと思える日を



見届けるって決めたんだ



とはいえ家出の女の子をずっと家に置いておく訳にもいかへん



常識的にも有り得へんし、リスナーにバレでもしたら活動を続けていくのも厳しくなる




今になって自分で蒔いた種に後悔しかけている



でも、あの時帰ろうとしたAの腕を取ったことだけは間違ってなかったと言いたい



俺はAに正面からぶつかるで



そう心に決めて、スタジオへと向かった

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