私が帰る場所【skt】

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う「だろ？あ、自己紹介してなかったな


俺は浦田渉だ。坂田の仕事仲間？って感じだな」



浦田渉で、うらさんか



『四月一日Aです』



う「Aちゃんね、おっけい


単刀直入に聞くけど、なんでAちゃんは家出したの？」



ずっと言いたくなかったことをストレートに聞かれて戸惑う


坂田をちらっと見ると、坂田も坂田で焦っているようだ



おい、この人私にとって悪いことは言わないんじゃなかったのかよ



『言いたく…ない』



う「なんで？」



「なんででも」



どうしたって口を割らないと思ったのか、小さくため息をついてからうらさんは続ける



う「じゃあ質問を変えよう


いつから家に帰ってない？」



『昨日...制服取りに帰りました』



う「家の人とは話したの？」



『いえ、いない時間に帰ったので』



う「それは帰ったって言わねぇわ


いつから家出してんの？」



うらさんの質問攻めにどんどん後ずさりする


やめろ、やめろ、やめろ


これ以上踏み込んでくんな



どうせ穢れた私なんか受け入れてくれもしないくせに



ドンドン心の扉を開けられる音がする




さ「うらさん、ストップや」






坂田が私を庇うようにうらさんの前に立つ



う「あ、悪い。こんなつもりじゃ…」



さ「聞き過ぎやな笑


それに俺だって知らんで？

Aがいつから家出してんのとか、どうして家出したのかとか」



う「…まじ？」



さ「だってAが言いたくないんやったらしゃーないやん」



坂田の言葉はいつでも私を軽くするんだよな



私が言うまで待ってるって言って貰えた時も安心した自分がいた




う「坂田がそう言うなら…。ごめんね、Aちゃん無理に聞こうとして」



『いえ…大丈夫、です』



う「お詫びに何か奢るよ、好きなもの頼みな」



そう言ってうらさんはUberのアプリを開いた自分の携帯を差し出した



マジでなんでもいいの！？

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