推しと恋愛は無理です! 3【mfmf】

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真冬 side




伸ばしかけた手を僕の方に引き戻す




Aさんが心配してるのは...ああいう事態だよね




Aさんが1歩踏み出せない理由を分かってはいたけど実際僕もあんな夢を見てしまって怖かった



あれが現実になったら、と怖かった





頭元にあった氷枕と、Aさんのそばに置かれた雑炊を見て何で彼女がここにいるわかった





看病しに来てくれたんだ...そらるさんの差し金かな





あんなに僕の家を知ることを拒んでいたのに、自分勝手にワガママなキスをしたのに来てくれたんだ




好き




好き




好き





たとえ僕のすべてを投げ打ってでも彼女を守ってずっとそばにいたい




それなのにさっき揺らいでしまったことで不安になった




本当に僕なんかに彼女を守れるのか



彼女が別れたいとあの夢のように言ったら手放すべきなのか



そもそも...あのキスのことをどう思っているのか




その答えは聞きたくない



臆病な僕が邪魔をする






無理矢理でもこの関係を動かしたかったなんて子供の言い訳だもんな...






『んっ...あぁ寝て...ま、真冬さん！』





うだうだと考えているとAさんが起きて僕を見て驚いた





少し離れるよう距離を取られる





ま「おはようAさん


すやすやと寝てたね笑」




なるべく気を使わせないように、と明るく振舞う




『すみません！看病しに来たのに私が寝ちゃうなんて...！』




ま「大丈夫だよ、僕もずっと寝てたから



それよりこの氷枕ありがとう」





『いえ...あ、薬買ってきました！飲みますよね？

あと雑炊...食べられますか？』




ま「え、Aさんの手料理！？」




『え？あぁ、まぁそうなりますね...』




ま「食べる！」




『それじゃ温めて薬と一緒に持ってきます


まだ熱あるでしょうから横になっていてください』




半ば強制に横にされ、毛布をかけられる




なんだか子供扱いみたいだな...



チラッと顔を上げるとせっせと準備をしてくれるAさんが堪らなく愛しくなってこっそりスマホで写真を撮った

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