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「多分その生徒が言いふらしたんやろうけど
次の日からその話持ちきりになってな？
もしかして誰かにいじめられてたんちゃうかって。」
鼻をすすり、涙が止まらない中詰まりながらも話を続ける。
目をおしぼりで抑えて、やっと止まったかと思えば
またビールを注文し涙を流した。
「…ほんで、最終的には
いじめを苦に自ら飛び込んだんちゃうかって。
俺…その噂がほんまやったら、なんも気づいてない…
教師失格や…。」
普段はうるさいけど、こういうところを見ると
やっぱり教師の鑑だと思う。
それなのに俺は、過去のことを思い出して
冷や汗が止まらない。
「俺、どうすればいいと思う？
そりゃもちろん、その…いじめがクラスにあるなら
そいつにそれ相応の処分も出すし、解決するまでは逃げへんよ？」
繊細な性格ではあるけど、責任感は人一倍な康二。
俺の学生の時にも、こんな先生がいれば
あんなことにはならなかったはずだ。
「俺、宮舘さんになんて謝ればいいか…。」
「まだ決まったわけじゃないし、落ち着け。
それに、その気持ちがあるだけで充分
立派な教師だよ。」
そういうと、また号泣してしまった。
またもや周りの視線が痛い。
向かい合うように座っていたところから立ち上がり
隣に座って背中を擦る中
まだ彼女の笑顔は頭にこびりついていて
両手の震えが止まらなかった。
「…なんか震えてるけど大丈夫…？」
「大丈夫…。
それより、その子いまどうなってんの？」
落ち着いてきたようだったから向かいの席に戻ると
康二は鼻水を大きな音を立ててかみ、深呼吸をした。
「意識戻って、明日から登校するねん。
でも、事故のことも学校に関する記憶も
ほとんど忘れてるみたいやねん。」
つまり、事故の真実は闇の中…か。
これは解決するまでに時間がかかりそうだ。
「校長までその噂知ってて、
明日早急にアンケート取るって。
それで分かればいいけど…ほんまに心当たりないねん。」
机の下で、両手を固く握りしめる。
受け持ちじゃないし、話を聞くまで他人事だった。
でも、俺はこの問題を解決したい、
あの日みたいにもう逃げたくない。
「…手伝うよ。」
「へ…？」
「原因がどうであれ、
自分から飛び出したのが事実なら
何らかの悩みはあったはずだし、対応手伝う。」
自分らしくない。
揉め事や面倒なことは避けてきた。
でもこれだけは、知らないふりをしたくない。
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まいちゅん(プロフ) - ぱぐたろうさんの世界観が好きです。 (2021年1月25日 0時) (
レス) id: 3613c412bc (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！うれしいです、励みになります。今日からまた更新しますので是非見てください(^▽^) (2021年1月21日 19時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - りささん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！そう言っていただけるとすごくうれしいです！りささんもお体ご自愛下さい、更新頑張ります(^^) (2021年1月21日 19時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - Roseさん» ありがとうございます、励みになります！Roseさんもお体お気をつけてください!(^^)! (2021年1月21日 18時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - しおさん» ありがとうございます！本日更新しますので是非見てください(^^)無事に楽しめました！ (2021年1月21日 18時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年1月13日 20時
