しょうぶ ページ10
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テストも終わり、いよいよ体育祭当日。
ちなみに結果はクラス2位、侑李は1位で今回も見事に負けました。
『3組優勝するぞーー!!!』
『おおおーーー!!!』
体育祭実行委員の掛け声で、いっそう盛り上がるみんな。そして、大本命のリレー。
侑李の後ろに並んで、私は17番、侑李は18番だから奇数偶数に別れて並ぶと隣同士。
ああもう緊張してるし。隣の侑李を見ると余裕そうにしている。
侑李「A、目見て。」
「え?」
侑李「前向いて、自信もって。僕が前にいるんだよ?」
ほっぺをふにふにするから自然と笑顔になって、ちょっと緊張もほぐれたかも。
「うん!頑張ってみる、」
侑李「よし、可愛い」
「え?」
侑李「さー、1位頑張るぞー」
急に可愛いなんて言うから恥ずかしくて下を向いちゃう。
ばかじゃないの、ほんと。
『Aちゃん、前でイチャつくの辞めてもらっていい?』
「え、ちがっ!そういうんじゃない!!!」
『顔真っ赤(笑)かわいいー(笑)』
「もうやめてよ!!(笑)」
入場口から奇数偶数で別の所に行くから侑李とは違うところ。
「よしっ」
自分の番が来てコースに出ると父兄の席から私の声が。嫌な予感がするけど恐る恐る振り返る。
「……お兄ちゃん、」
慧「Aーー!!がんばれー!」
「恥ずかしいからやめろーーーー!!!!!」
お兄ちゃん、目立つんだから変なことしないでよ、ほんとに……
『A!知念くん来るよ!!』
「はあ、いってきます」
友達に手を振って侑李を待つ。
全速力の侑李が走ってきて、右手を出す。
侑李「A!!前向いて!!自信もって!」
練習の時と同じ、その言葉で前を向いて走り出す。
今のところ、2位。侑李のおかげで、1位と接戦であとちょっとで抜けるってとき。
「っ、え?わっ」
カーブに差し掛かったところで転んでしまった。
すぐに立ち上がりたいのに、起き上がれない。
どんどん追い抜かれていくのが悔しいけど、足が、…痛くて…
「痛っ、…」
『A!!』
「……えっ、」
『大丈夫?立てる?』
「ん、ありがとう、……やまだくん」
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作者名:もち。 | 作成日時:2019年7月14日 22時