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「A大丈夫？休むんなら俺が部長と高橋先輩に言っとくけど」
本当に心配そうに聞いてくるソウタにAは「行くよ」と笑って答える。
「なんかあったらすぐ俺に言えよ」
「うん、ありがと」
そう言いながら立ち上がると、前の席に座っていたマユも「私も行く」と立ち上がった。
3人で青々とした木々の下を並んで歩く。
「しっかし、今日マジ暑そう」
「だね、ドリンク多めに作っとかないと」
「体育館の空調っていまいちだよね」
Aを真ん中に右にソウタ、左にマユ。
「あっ、私忘れ物」
Aがいきなりそう呟いて立ち止まると二人が振り返る。
「先に行ってて。すぐ行くから」
そう言って、マユの腕を少し小突きA小さく笑うと来た道を戻り始めた。
「気を付けろよ」
ソウタの声に少し振り返ると真っ赤になったマユが見えて、Aは「うん」と答えて軽く手を上げた。
もちろん、忘れ物なんてない。
うまくいけばいいな。あの二人。
そんなことを思いながら自販機の前にあるベンチに座る。
少しだけ疼く右ひざに目をやれば、外れかけたテーピング。
「保健室行こうかな」
「テーピング、俺がしよっか？」
いきなり降ってくるその声にAは思いっきり身体をビクつかせて見上げた。
「ごめん、びっくりした？」
木漏れ日は踊るように彼をキラキラと照らす。
その笑顔は初夏にふさわしく、涼しげで穏やか。
不自然なのは彼が一人でそこに立っていること。
「…大丈夫です、一人で行け… ちょっ、！？｣
台詞が途中で悲鳴に変わったのは樹音先輩がAの腕を持ち上げ立たせたから。
「自分でやると上手く巻けないでしょ。保健室行こ」
「やっ、いい、いいですっ！」
離れようとその腕をどんなに振っても彼の手は離れない。
「あの、本当に一人で大丈夫ですからっ」
「また抱きかかえられたい？」
そんな彼の台詞に思わずカッと顔が赤くなるのを感じてAは顔を伏せた。
大人しくなったAに観念したと思ったのか、彼は自然に彼女の手を引いて歩き始めた。
いつの間にか反対の手にはAのカバンを持って。
「先生、やっぱりいないね」
保健室に人の気配はない。
心臓が早鐘を打つ。
静まれ。そう思ったところで何とかできるものではなくてAは下唇を噛み締めた。
「座って」
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あいうえお - 解釈不一致なのに新しい道が開けたっていうか全て星様の文才によるものというか、ほんと面白いです、これからも応援してます！！！ジュノンくん最高！！！！！ (5月23日 21時) (
レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 天才すぎます、ありがとうございます、読み続けます、、、、 (5月23日 21時) (レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 最近の中で一番好きな夢小説です、！ (5月22日 23時) (レス) @page35 id: 7c9597bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星 | 作成日時：2023年5月18日 20時
