まさかの事態 ページ28
ななもりside
バタッという効果音のつきそうなほど鈍い音の後に俺が目にした光景
俺は自分の目を疑った
な「…!?」
じ「大丈夫なん!?」
そう…察しの良い方はお気付きであろうが
蒼井さんが倒れた
蒼井さんがこの世界を動かしている、作っている
が、その人物がいない今、この世界はどうなるんだろう
もしかして、チャンス…なんじゃないか?
いや、だめだ
莉犬くんとるぅとくんはあの状況
ころちゃんなんか意識もないんだ
これも…蒼井さんの狙い…なのか?
な「ジェルくん…どうする?」
じ「どうするも何も助けんと!」
そう言いながら蒼井さんに駆け寄るジェルくん
そうだった
敵でも困っていたら助ける
それがジェルくんだった
なら、俺は親友として精一杯ジェルくんの手伝いをする
俺らは今までもそうやって繋がってきたはずだ
な「とりあえず、保健室にはこぼっか」
じ「そうやな…よっと」
軽々と蒼井さんを持ち上げるジェルくん
…めっちゃ軽々と持ち上げたねw
じ「うわっ、軽っ!?びっくりしたわ…」
…え、そんなに軽いの?
な「いいなぁ…」
ジェルくんは俺にない“優しさ”を持っている
…やっぱりさ、自分になくて他人にあるものって羨ましく感じるよね
でも、これはしょうがないことだと思うんだ
人間ってそんなもんだもん
〜
じ「ついたぁ〜」
1回の廊下の奥にある保健室
先生も生徒も誰もいなくてとても静かだ
温かみのある淡いオレンジ色のカーテンは心を落ち着かせる何かがあった
じ「にしても…綺麗やなぁ〜」
ジェルくんはベットに寝かせた蒼井さんの髪を撫でながら言う
な「…うん」
俺はなんとも言えないような返事を返した
確かに蒼井さんは花で例えるなら美しい白百合のような雰囲気だ
いつもぱっちり開いた二重の目
何もかもが美しい、完璧なのだ
完璧すぎて恐ろしいぐらいに、怖いぐらいに
だけど、俺は素直に「綺麗だ」と言いきれない
容姿は文句なんかないぐらい綺麗だ
だが、心はまるでないような
心が「醜い」と言うよりは「そもそも感情がない」というような
だからだろう、素直に「綺麗」と言えないのは
でも…それでもジェルくんは
素直だ、綺麗な心の持ち主だ
羨ましい…なんて思っちゃダメだと分かっていても
考えてしまうことを辞めてしまったら
俺は…感情を失ってしまう気がする
86人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
azusa(プロフ) - いちごパフェさん» 蒼井さんと遠井さんwww確かに読み違えそうですねw更新頑張りますね! (2019年7月8日 7時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - ↓話の感想じゃなくてすまぬ。この作品とっても大好きです!更新頑張ってください!続編も楽しく読ませて頂きます!! (2019年7月7日 22時) (レス) id: 12100336d7 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - ジェルくんsideの時、蒼井さんを遠井さんと読み間違えてしまう。やばいな、私… (2019年7月7日 22時) (レス) id: 12100336d7 (このIDを非表示/違反報告)
azusa(プロフ) - Ruruaさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年6月28日 7時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
Rurua - すごい…物語の展開が好きすぎる…というかころんくんが好きすぎる… (2019年6月28日 7時) (レス) id: 7771d21199 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:azusa | 作成日時:2019年5月23日 20時