気付いたこと ページ24
さとみside
さ「蒼井さん…でしょ?救急車呼んだの」
俺は妙に誰もいない廊下で俺に背を向ける蒼井さんに声をかけた
走ってきたため息が上がっているがそんなことは気にしない
『あら、気づきましたか?ふふ…』
振り向きながらそう言う彼女は
俺の“敵”とは思えないぐらい綺麗で
思わず見とれてしまった
『ふふ…どうしたんですか?…顔になんか付いてます?』
そう言いながら不安そうに問いかける彼女
さ「…いや」
ターゲットである俺が目の前にいるというのに呑気に話す彼女に
少し驚きつつも返事を返す
さ「普通に喋って大丈夫なわけ?
俺は蒼井さんから無理やり脱出方法を聞き出すことも出来るんだよ?」
『それはどうですかね?』
そう言いながら余裕たっぷりに笑う彼女に少しイラッとした
ここは蒼井さんが作った…のかは分からないけど本の中
だからといって蒼井さんが最強って訳じゃないでしょ
なのに俺には何も出来ないって言われているようだったから
さ「俺は無力だって言いたいわけ?」
『そういうことですね』
パッチリと開かれたつぶらな瞳で俺を見ながら言う
身長的に俺が見下してる感じなのに
彼女の言葉からかなぜか見下されているような感じがした
俺は蒼井さんに1歩ずつ近付いた
『ふ〜ん…』
怪しげに目を細める余裕たっぷりの態度にいらだちを覚えながら進む
が、
さ「うわっ」
俺はあとちょっとの所で何も無いのにコケて…コケそうになった
なんでこんな時に…なんて自分を恨んだ
けど、そんなことはなかったと直ぐにわかった
『ここは私の作っている作りかけの作品
つまり、“私が作るバッドエンド”
だから、ここは私中心に全てが回っているんです
黄衣さんが赤井さんをいじめたのも、信じて貰えなかったのも
青野先輩が屋上から落ちた時の幻覚も
桃野先輩がコケそうになったのも』
さ「やっぱり、救急車を呼んだのは蒼井さんだったんだね」
『はい』
さ「なんで?別に呼ばないで殺しても良かったんじゃないの?蒼井さん的には」
『だって、すぐ終わっちゃうバッドエンドなんてつまらないじゃないですか』
…は?
俺にはこいつの言っていることが理解出来ない
住む世界、吸ってる空気、生きてきた場所
その全てが違っているからだ
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azusa(プロフ) - いちごパフェさん» 蒼井さんと遠井さんwww確かに読み違えそうですねw更新頑張りますね! (2019年7月8日 7時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - ↓話の感想じゃなくてすまぬ。この作品とっても大好きです!更新頑張ってください!続編も楽しく読ませて頂きます!! (2019年7月7日 22時) (レス) id: 12100336d7 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - ジェルくんsideの時、蒼井さんを遠井さんと読み間違えてしまう。やばいな、私… (2019年7月7日 22時) (レス) id: 12100336d7 (このIDを非表示/違反報告)
azusa(プロフ) - Ruruaさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年6月28日 7時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
Rurua - すごい…物語の展開が好きすぎる…というかころんくんが好きすぎる… (2019年6月28日 7時) (レス) id: 7771d21199 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:azusa | 作成日時:2019年5月23日 20時