内乱アウトブレイク！ ページ3
こちらを睨みつけるレオナ・キングスカラーにリリア先輩は淡々と答える。
｢リドルから話を聞いてな。一芝居打たせてもらった｣
｢じゃ、じゃあ……マレウスは？｣
『もちろんピンピンしてますよ』
私は見てないけど。
｢先程の群衆の混乱も、全ての人間をコロシアムまで安全に魔法で誘導して下さった。感謝しろ！｣
｢そ、そんなのアリッスか！？｣
ラギー・ブッチは、私たちが追いかけ回してた時とは打って変わり、余裕が微塵もないように見える。こっちとしては、もう奥の手は無いと願いたい。
レオナ・キングスカラーがため息を着いた。
｢…………………あー、もういい｣
｢えっ？｣
｢やめだ。やめ｣
その言葉に一瞬、場が固まるように沈黙した。
｢ちょ、レオナさん？それってどういう……｣
｢バーカ。マレウスが五体満足で試合に出るなら、俺たちに勝ち目があるわけねぇだろうが。そんな試合に出たって意味ねぇよ。俺は降りる｣
呆気なく断念の意思を見せた今回の主導者。絶対抗ってくると思ってたから、無意識のうちに入っていた肩の力が一気に抜けた。
｢そ、そんな！マレウスはともかく、他寮の有力選手はみんな潰してきたじゃないッスか。なのに、レオナさんが出ないなんて、3位にだってなれるかどうか……俺たちの夢はどうなるんスか？｣
｢どれだけ世界が注目していようが、所詮は学生のお遊びだ。お前らが目ぇキラキラさせて夢語ってんのが面白くて、少し付き合ってやっただけだろ｣
｢なんで……？俺たちで、世界をひっくり返すんじゃなかったんスか！？｣
｢キャンキャンうるせぇな……じゃあ本当のことを教えてやるよ。お前はゴミ溜め育ちのハイエナで俺は永遠に王に離れない嫌われ者の第二王子！何をしようが、それが覆ることは絶対にねぇ！｣
｢ふ……ふざけんなよ！なんだよそれ！ここまで来て諦めるなんて……｣
ラギー・ブッチが声を荒らげる。
ズルをしてたとはいえ、ズルをしてでも叶えたいことがあっての今回の犯行だ。頼りにしてた人がこうも簡単に諦めたら怒りたくなる気持ちもわからなくはない、かも。
それは他のサバナクロー寮生も同じで、黙ってはいなかった。
｢そりゃあんまりだ。レオナさん!｣
｢ブン殴ってでも試合に出て貰うぜ!｣
｢あぁ……めんどくせぇ。黙れよ雑魚ども！｣
しびれを切らしたレオナ・キングスカラーが寮生の手を振り払い魔法を放った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 315人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トランプの化け物(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます!!!!!┏○ﾍﾟｺｯまだまだ2章ですが、約300ページもあるものを一気読みしていただけて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2023年1月8日 23時) (
レス) id: cf0e2ef387 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めちゃくちゃ面白くて、一話から一気読みしてしまいました！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！ (2023年1月1日 23時) (レス) @page5 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：トランプの化け物 | 作成日時：2022年12月19日 17時
