王弟ミゼラブル！ ページ17
【生まれた時からずっと】
【俺の頭の上には】
【どけられない岩が置かれていた。】
どこからか声が聞こえて、目を開いた。
そこはさっきまでいたマジフト場ではなく、どこかの開放感のある長く広い外廊下のような場所で、差し込む光の方を見ると、その正体は夕焼で、辺りの自然と調和していてとても綺麗だった。
リドル先輩のブロットに触れた後も今と同じようなことが起きたのを覚えてる。
前回は天井に張り付いたような視点からだったけど、今回は地面を歩けていた。
歩いているとたまに人が近くを通るが、見えている素振りはない。もしかしてと思い、壁に触れようとしたら腕が壁をすり抜けた。
試しに近くにあったドアに向かって一歩踏み出すと、案の定すり抜け、部屋に入ることが出来た。
ゴーストってこんな感じなんかな。
入った部屋は本だらけで、学園の図書館みたいだった。
ドアからただ真っ直ぐ、辺りを見回しなが歩いていると、窓辺に座る目の前の人物に足が止まった。
幼さを残すレオナ・キングスカラー。
その人は翡翠色の瞳で確かにこっちを見ていた。
『えっ、見え……』
違う。私が見えてるんじゃない。
視線は私よりも後ろのドアを向いていた。
そっちを振り向くと同時にドアの向こうから声が聞こえてきた。
《はぁ……第一王子のファレナ様はあんなに朗らかでいらっしゃるのに……何故弟であるレオナ様はあんなに気難しくていらっしゃるのか》
《しかも、全てを砂に変える魔法を使うなんて、なんておそろしい……》
《2人ともやめないか！誰かに聞かれたらどうする》
視線を戻し、再度レオナ・キングスカラーを見るが、本人は気にする素振りなど見せず、本に視線を向けていた。
けど、今この世界はおそらくレオナ・キングスカラーの記憶の中、あのよく聞こえる耳でこれも聞いていた記憶なんだろう。
足元にはたくさん本が積まれている。そこには絵本などなくて、分厚い文字だらけの本ばかり、中には古語のものもあった。
好奇心で今読んでいる本の題名を見てみると、
『独裁者の思考』
その幼さでなんちゅー本読んでんだこの人。
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トランプの化け物(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます!!!!!┏○ﾍﾟｺｯまだまだ2章ですが、約300ページもあるものを一気読みしていただけて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2023年1月8日 23時) (
レス) id: cf0e2ef387 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めちゃくちゃ面白くて、一話から一気読みしてしまいました！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！ (2023年1月1日 23時) (レス) @page5 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トランプの化け物 | 作成日時：2022年12月19日 17時
