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花宮side







俺がアイツと話したのは中一で同じクラスになって少したってからだった。




その時には既に結構擦れていてだいたい、いつも一人でいた。


周りはいつも俺を見ると嫌そうな顔をしてあることないこと言っていた。


「おい、アイツこの間の試合で相手選手怪我させたって。病院送りらしいぜ?」

「ばか、本人いるだろw」

別にバスケに関しては否定はしねぇ。やられる方が悪いだろ。だが。


「しかもこの間のテストもまた一位だとよ。カンニングでもしてんだろ」


テストにおいては別に何もしてねぇよ。むしろなんでわかんないんだろうな。あぁ、馬鹿だからか。




そんなくだらねぇことを考えてると机の前に影ができていた。これじゃ文字見にくいだろと見上げるとそこにはアイツがいた。今思うとこれが間違いだった。



『花宮くん、お願いがあるの』

『なんだい?尾崎さん、僕にお願いって』


とりあえずいつも通り反吐が出そうないい子ちゃんでやりすごそうとする。


『猫なんて被らないで。私、そういう時の貴方嫌い』


俺は小さく舌打ちをして辺りを見回し、誰もいないことを確認してから彼奴を睨んだ。

『なんだよ。手短にしろよ』

『…花宮くん、私に勉強を教えて?』

『やだ』


俺はまた本に視線を戻す。全く無駄な時間だった。こんなやつ無視だ無視。


『なんで!やだよ!見てよ!』

無視。無視。


『お願い!何でもしちゃうよ!ね?』

無視…。

『花宮くん!…真くん!もー…まこちゃん!いいの?まこちゃんって呼ぶよ?』

無視…出来るかぁ!!うるせぇな。

『わぁったよ!だから、まこちゃんってやめろ。気色悪い』

『やった!まこちゃん大好き!』

『だから、まこちゃん…はぁ。なんで俺なんだよ。もっと愛想良いヤツいるだろ』


『まこちゃん一番じゃん。私はまこちゃんを超えなきゃいけないの。だから、私より上のまこちゃんに聞くの。知ってる?まこちゃん、私いつも二番なの』



『お前よく俺が受けると思ったな。普通は自分が超えようとしてる奴に教えは乞わないんだよ、馬鹿』



この時からアイツは俺を超えようとしてたし、バカだった。

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作者名:ゴリラ | 作成日時:2021年4月6日 2時

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