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聖夜side
優鶴「悪い、もう、大丈夫。」
聖夜「大丈夫なわけないでしょ！？
傷口開いてからじゃ遅いんだよ！？
本当に、水菜に処置してもらったら？」
優鶴「水菜も忙しいだろう」
“忙しい”か。
たしかに、そうかもしれないけど
にいちゃんにもし、何かあれば
俺が千鶴達から消される。
それに、
見てるだけで痛々しい。
ゆっくり、じっくり、
確実に。
今回の俺たちの身の回りは変化して、
にいちゃんの心を、殺しにかかっている。
ーーーいや、もう死にかけているんだろう。
前回の“アイドルスタァシンフォニア”の時のような
おどけた、
虚で、何も写さない目で笑顔を作っても
俺と、響音には
わかってしまう。
・・・・気づくのは、遅かったけれど。
優鶴「零」
零「どうかしたかのう？」
優鶴「もう、大丈夫だ。
ありがとう、愛してる。」
零「我輩は、
我輩“達”が
思っておることを代弁しておるだけじゃよ。
ーーー言いたい事が、あるんじゃろう？
優鶴くんの口から、
言ってやると良い♪」
にいちゃんがうなずいて、
『Trickstar』の面々を、眺める。
優鶴「おおむね、零が言った通りだ。
だから、これは
俺の独り言だ。
お前達の“タメ”になるかは、
捉え方によって、変わる。」
にいちゃんのぷっくらとした唇が、
ゆっくり
言葉を紡いでいく。
優鶴「お前達は、転校生も、含めて。
まず、自分を肯定しろ。
出来ること、できないこと全てを認めろ。
何が苦手で、何が得意か、理解しろ。
アイドルは、『偶像』だ。
沢山の“他人”が、
本来の自分の上にいろいろなものを塗りたくる。
自分が肯定出来ないなら、
求められたものをこなすだけの
ただの人形に成り果てる。
お前らは、俺の二の舞を踏むな。
自分を見つめて、見失うな。
自分を肯定できたら、
本当の自分を愛せるように、邁進しろ。
お前達の暗がりの道を照らすライトくらいは、
用意してやろう」
。
。
。
スバル「ねぇ、せいやん。
先輩は何が言いたかったの？？」
聖夜「自分で考えなよ〜？
バル〜は、
にいちゃん以外のやつの会話は確信つくのに、
にいちゃんの会話の確信は、つけないね？」
にいちゃんが言いたいのは、
多分
生きてきた過去を自信を持って受け入れろ
ってことだけど。
にいちゃんも、俺たちも
それができないでいるのは、
流石にわかってるよね？
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作者名：クラウン | 作成日時：2021年2月17日 4時
