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聖夜side
信仰ーーーー?
水菜「優鶴くんも僕も、生まれた時から
“神様”みたいに崇められて、
祀られて生きて来た。
僕は“家”全体から、
優鶴くんは“スタァ”からも、“アイドル”からも
そして“家”からも。
“その三色”だと仮定したら、
響音くん達は、腑に落ちるでしょう?」
響音「あっ、そっか。
今兄さんは
“家”以外の“信仰”を捨ててるから・・・」
水菜「昨日、
完膚なきまでに両方の業界叩き潰したからね。
君たち以外に、
両業界に味方はいないって訳だね。
優鶴くんは、
君たちを味方にするつもりも、
ないみたいだけどね?
本当、
なんで茨の道突っ切っちゃうんだろうねぇ?」
水菜が、苦笑している。
まぁ、わからないでもない。
兄ちゃんが今やっている事は、
あまりにも無謀だ。
失敗は元より、
成功しても、
にいちゃん本人の“犠牲”は避けられない。
聖夜「ねぇ、みーちゃん。
“俺たち”どうすれば、最善策にいけるかな」
水菜「なんでそこで“僕”に頼るの?
これは“君たち”の問題だよ?
それに、
優鶴くんは、僕の介入を望んでない」
聖夜「なら、
せめて水菜様がどう動くかは教えてよ。
俺はただ、兄ちゃんを助けたい」
水菜「“助けたい”?
“君たち”が?
ーーーー笑わせてくれるね」
背筋が、泡立った。
“殺気”に似た何かと、
“冷徹”な瞳が、“狂気”を孕んで、
俺たちを見ている。
水菜「今まで見て見ぬふりだったのに?
“今更”、“助けたい”?
虫が良すぎる。
それに、僕は見届け人だ。
手出しなんてしない
断言してあげよう。
それにね、あの子が逃げたいなら
僕は別にそれでも良いと思ってる。
“アイドル”と“スタァ”が、
“一般論”が、
くだらない“正義感”が
あの子の心を蝕んで、壊した結果だ。
自業自得だよ」
水菜達本家の子息組は、
親や、保護者を失った分家の子供達と
交流が深い。
オフの時は、
“お兄ちゃん”や、
“お姉ちゃん”と呼ぶチビ達も多いくらいだ。
たった二つ三つしか
学年が離れていない俺たちも、
昔はよく、水菜達と遊んだ。
本家の子息組は、
本当に俺たちをよく見ている。
俺たちが苦しんでいる時は、
相談に乗ってくれるし、
気晴らしにも付き合ってくれる。
だからこそ、言ったんだろう。
俺達も苦しんでて、兄ちゃんも苦しんでるから
“中立”立場である、
その意思表示を。
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作者名:クラウン | 作成日時:2020年11月4日 23時