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響音side
響音「どうしたんですか、水菜様?
なんでここにいるのか、
教えてもらっていいですか?」
水菜「昔みたいに、
みーちゃんでいいのにねぇ・・・・
他人行儀は少し傷つく。
来た理由は、
優鶴くんの事についてかなぁ、
『朝起きたら髪が白一色になってる』
って、連絡があったものだから」
喉の奥で押し殺すように笑う水菜様。
ちなみに“様”呼びなのは
俺達の家の本家の当主だからだけど。
白の髪と、瞳が
笑って揺れている。
なんでもかんでも見透かした、
ほんの少し狂気を感じる目は、
俺たちを見ていた。
水菜「あぁ、知りたいの?
優鶴くんが白髪になった理由」
響音「まぁ。そうですけど・・・・」
水菜「英智くん、
君はうっすらわかってるんじゃないかな?
それでも、
ちゃんと説明してあげる必要はあるし、
説明をサボるつもりもないけど。
ーーーあーー、どこから聞きたい?
理由だけ聞く?」
響音「全部ちんぷんかんぷんなので
全部って言いたいんですけど・・・・」
頭を掻き毟った水菜様が、
目を丸くして、
俺を見る。
想定外だったらしい。
水菜「“桜木”が、
“白髪”と“白眼”を特別視している事は、
流石に理解してるよね?」
聖夜「うん!
“桜木 月彦”が白髪白眼だったから、だよね!
それ以外にも、
“桜木”の刀匠が全員“目か髪が白いから”とか、
“白髪”と“白眼”は、
“魔力”とか、“霊力”のケタが違うからとか
・・・・えっと他には」
水菜「そこまでわかってたらいいかな?
とにかく“桜木”の家系は、
生まれつき目とか、
髪とかが黒以外の色であることが多い。
その中でも“白色”は“一等特別”で、
家系の当主継承順も
“白”の子が優先的に継ぐ。
僕みたいにね。
優鶴くんの場合、
左右のもみあげが黒と水色になっている以外は白髪であり、
“保有量”も白髪のそれと同じだった。
でもここで疑問がひとつ。
“今まで”、『鏡千』の家系にも
白髪が二色以上の髪色を携えていた例はない」
そういえば、
昔父さんが言ってたことがあった。
俺たちみたいに毛先が違う色になっているのは、
1.5とか、2.5とか見たいな、
中間、中途半端な保有量を指すようで、
にいちゃんみたいに
完全に根本から色が違うわけでもないし・・・
見慣れてたから、わからなかったけど。
水菜「優鶴くんの髪の色は、
簡単に言えば
君たちの“信仰”で成り立っていたんだよ」
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作者名:クラウン | 作成日時:2020年11月4日 23時