宣戦布告42 ページ43
《A side》
不知が死んだ。
ハイル先輩も。
キジマさんも。
大切な人達を喪った、その心の傷が癒えていなくても…日常は今日も淡々と廻って行く。
旧多「お〜いAさぁ〜ん、いつまで湿気た面してらっしゃるおつもりで?」
キジマさんが亡くなった事で、私と旧多さんは佐々木琲世准特等捜査官の元に就く事となった。
琲世「旧多さん、サボってないで仕事して下さい」
旧多「ハイハイ。全く、准特等はAさんに甘いんだから…」
琲世さんは前とは全然雰囲気が違っているけど、何だかんだと細やかだったり気遣いが多かったりと優しい上官だと思う。
一方の旧多さんは、キジマさんが居なくなってからというもの遂に《性悪上官》を地で行くようになった。
旧多「Aさんのせいで怒られたァ〜しくしく」
『…すみません』
だけど今の私は、そんな旧多さんに構って居られる心の余裕をすっかり無くしていた。
ねぇ不知。あんた、《サッサンを超える》って言ってたじゃない。
ハイル先輩。《メロンパン食べに行こう》っていう約束、まだ果たされてないです。
キジマさん、私は、貴方に何一つお礼を言えていないまま逝かれてしまいました。
目を閉じれば喪失感に苛まれ、目を開けても景色は何だかすっかり色を失っていて。
旧多「…はぁ。ダメですね、まだちょっと時間必要っぽい」
琲世「無理もないでしょう。くれぐれも焦らせないようにお願いします」
旧多「あったり前です…調子狂うなぁ、全然噛み付いてくれないんだもん」
二人の上官に多大なる迷惑を掛けているのは分かっていたが、自分では最早どうにもならなかった。
そういう時はどうしても、注意散漫になってしまうようだ。
琲世「Aさん、この書類のホチキス留め頼みたいんですが…」
『了解です』
琲世さんから書類の束を受け取り、数枚ごとに分けてからホチキスを取り出した。
──────パチン、パチン…
特に何も考えず、ひたすら無心でプリントを留めて行く。
──────パチン、パチン…
それが多分いけなかった。
──────パチン、パチ…バツン!
『ん?』
琲世「え…」
旧多「あっ」
鈍い音。一拍遅れ、書類を持っていた左手の人差し指に強い痛み。
見ると、ホチキスの針が指の腹に思い切り突き刺さっていた。
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みきざわ(プロフ) - あずまさん» 鼻血どんどん出しましょう!(笑)閲読有難うございます〜! (2019年1月23日 19時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
あずま(プロフ) - あぁ…やばい、、、鼻血でるぅ(;´Д`)ハァハァ (2019年1月23日 15時) (レス) id: 97c5686003 (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - えぬ=)さん» ニムラの魅力、少しでもお伝え出来ているのなら幸いです!尊敬だなんてそんな、勿体ない(笑) 嬉しいお言葉、恐縮です! (2019年1月21日 5時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ=)(プロフ) - ああ……溶けちゃいそうです……← 本当に最高です……前作からずっと思ってたけど最高です……尊敬してます……!何故そんなににむにむの魅力を素晴らしいクオリティで書けるのか……尊敬してます(二回目) (2019年1月21日 0時) (レス) id: ae2a3cb03d (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - ハニーさん» 謹んで新年のお慶びを申し上げます!2019年がハニー様の良き年になる事を願っております... (2019年1月1日 0時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みきざわ | 作成日時:2018年12月16日 18時